【第84号】 はやり目について 結膜炎に使用される薬 アデノウイルス感染症と食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第84号】 はやり目について 結膜炎に使用される薬 アデノウイルス感染症と食事

【はやり目について】

 はやり目と呼ばれている病気は専門用語ではアデノウイルス結膜炎といいます。これは、文字通りアデノウイルスというウイルスが原因で起こる伝染性の結膜炎です。ちなみに「結膜炎」とは単に結膜が炎症を起こしている状態を示しますので、その炎症の原因によってアレルギー性、細菌性、ウイルス性などに分類されます。
 アデノウイルス結膜炎の症状ですが、ウイルスに感染してから1週間程度症状が出ない時期(潜伏期)があります。その後目のコロコロする感じ(異物感)を自覚し1週間くらいかけて徐々に結膜の充血が強くなってきます。涙が多くなり、目やにも出てきます。その後は1〜2週間かけて治ります。アデノウイルスに有効な治療薬は今のところ存在しませんので、治療は他の感染を起こさないように抗菌薬の点眼と結膜の炎症を軽くするための点眼が主体になります。注意が必要なのはアデノウイルスのタイプ(血清型)によっては角膜に点状の混濁を残すことがあります。この場合は数ヶ月から2年くらいまぶしい感じが続きますので、混濁をできるだけ少なくするために副腎皮質ホルモンの点眼を使うことがあります。この目薬は緑内障などの副作用を起こすことがあるため点眼回数を守って医師の指示通りに使用してください。
 また、アデノウイルス結膜炎に感染した場合は家族や周囲の人に伝染しないように注意が必要です。結膜炎を生じた涙・目やにを介して伝染しますので、予防策としては、極力自分の目を触らないようにすること、タオルを共用しない、などの注意が必要です。
 このようにアデノウイルス結膜炎は長期間視力が低下したり、家族や職場の人に伝染したりと生活に支障を来す危険の高い病気です。たかがはやり目と侮らずきちんと眼科での診療を受けることが大切です。

(眼科医長  青木浩則)

【結膜炎に使用される薬】

結膜炎に使用される薬は、細菌・ウイルス・カビなどの微生物、紫外線、ほこり・ごみなどの物理的刺激、花粉などのアレルギー反応などその原因によって異なります。

  1. アデノウイルス結膜炎(はやり目)に対してはウイルスを殺する薬がありません。このため補助的に他の感染を起こさないよう抗菌薬の点眼薬や炎症を抑えるためにステロイド点眼薬が使用されます。ステロイド点眼薬(フルメトロンなど)は副作用として眼圧上昇や白内障が現れることがありますので医師の指示に従って下さい。
  2. 細菌性結膜炎には、細菌を殺す抗菌薬が使用されます。細菌にはいろいろな種類があるため、その細菌に適したものが選択されますが、近年は広い抗菌スペクトルムをもったニューキノロン系抗菌薬(クラビットなど)の点眼薬が第一選択薬となっています。
  3. アレルギー性結膜炎によるかゆみの症状を抑えるためには、抗アレルギー点眼薬(インタール、リボスチンなど)が使用されます。効果が現れるまでに3日から2週間かかります。花粉などの季節性の場合には、花粉飛散の2週間前から点眼を開始します。抗アレルギー薬の効果には個人差が多く、症状に即して適切な薬剤を選択して使い分けることが必要です。症状がおさまったと自分勝手に判断して中止せず、医師の指示によく従って使うことです。大切な「目」をまもるため、眼科の医師によく相談して指導してもらうことが大切です。
(薬剤科長 冨澤 達)

【アデノウイルス感染症と食事】

 食事での予防対策としては、からだ全体の免疫力を高めておくことが予防のポイントです。食欲が落ちやすい夏場の食事は栄養のバランスや、消化吸収のよい料理法なども心がけましょう。特に粘膜の材料となるタンパク質や免疫細胞を強化するビタミンA、C、E、腸を元気にする乳酸菌や食物繊維などを意識して摂るようにしましょう。
 消化のよいタンパク質としては卵、肉(油脂の少ない)、魚、豆腐、納豆など、乳酸菌及びカルシウムなどミネラル源としては牛乳、ヨーグルト、わかめ、ひじき、昆布、海苔など。食物繊維やビタミン類は野菜、果物、特に夏にお勧めの野菜としては、トマト、茄子、さやいんげん、かぼちゃ、オクラ、にがうり、みょうがなどがあります。香辛料のしょうが、わさび、こしょう、などや香味野菜のしそ、三つ葉、ねぎなどは食欲を刺激します。上手に取り入れて食欲をアップさせるようにしましょう。
 消化吸収のよい料理法としては油脂類を控えめにし、野菜類は生食よりも茹でたり、煮物にすることで消化がよくなります。砂糖、塩、醤油、味噌などの調味料も控えめにし、食材そのものの味を生かすようにしましょう。
 食事は食欲が落ちているときでも1日に3回摂ることが大切です。熱があるときは水分もしっかり取りましょう。

(管理栄養士  浅井 和子)


診療の特色

<総合医療センター 眼科 (感覚器センター)>

当科では一般的な結膜炎、近視等の屈折異常、白内障などの診療に加えて、緑内障、角膜感染症、網膜硝子体疾患の診療を行っております。眼科診療機器は最新の機器が導入されています。
外来の検査治療機器としては、網膜症に対しての色素レーザー装置やYAGレーザー装置、自動視野計などがあります。
手術機器では超音波白内障手術装置、硝子体手術装置、眼内レーザーなどを有しております。感覚器センターとして耳鼻咽喉科、皮膚科をはじめ他の診療科と協力しながら診断および治療を行っています

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック