【第82号】 高血圧について 高血圧の治療に用いる薬 心臓病と食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第82号】 高血圧について 高血圧の治療に用いる薬 心臓病と食事

【高血圧について】

 高血圧は非常に多い疾患です。正常血圧は140/90mmHg以下です。かなりの高血圧にならなければ症状が出ませんので、知らないうちに病状が進んでしまうことはよくあることです。よく患者様が「血圧の薬は一度飲み始めたら一生飲まないといけないからいやだ」と言われますが、それは必ずしも正しくありません。塩分を控えたり定期的な運動をすることで血圧が正常化すれば、当然血圧の薬は不要になります。
 最近の家庭用血圧計はかなり正確ですので、血圧の薬を飲んでいる人はぜひ1日一度は計っていただきたいものです。起床後にトイレに行った後にはかる習慣をつけるとよいでしょう。運動後や入浴後は変動しますので注意が必要です。また、左右の腕では若干の差がでることがありますので、毎回同じ腕で測定することをお勧めします。
 高血圧の患者様では、まず心電図と心エコー(超音波)を行い、心臓の筋肉が肥大していないか、弁膜症などの心疾患が隠れていないかなどを確かめます。さらに、腎臓病などからも高血圧になりますので、血液検査も行います。場合によっては、血圧をあげるホルモンのバランスが悪いために高血圧になることがありますので、さらに詳しい検査をすることもあります。
 治療に用いる薬は、さまざまな種類の降圧薬があります。最近の薬は、1日1回の内服で、ゆっくりと24時間効果が持続するタイプのものがいろいろ出てきていますので、とても飲みやすくなっています。しかし、1剤での効果が十分でない場合は、2-3剤を併用することがあります。薬の副作用を恐れるあまりに高血圧を放置することは得策ではありません。きちんと薬を使って血圧管理をすることは、健康な老後を迎えるために大切な基本です。もちろん、塩分制限などの食事療法が大事なのは言うまでもないことです。

(循環器科 村上 和憲)

【高血圧の治療に用いる薬】

 高血圧管理が食事療法や運動療法だけでは、十分な効果が得られないこともあり、そのようなときは、薬による治療が行われます。血圧を下げる薬にはいくつかの種類があり、血圧の状態や体質に合わせて選ばれます。
 利尿薬(ラシックスなど)は尿の量を増やし、塩分排泄を促進して血圧を下げます。
 ベータ遮断(テノーミンなど)は交感神経に作用して血管を広げたり、心臓の緊張を抑え脈を減らして血圧を下げます。喘息を悪化させる副作用があります。
 カルシウム拮抗薬(ノルバスクなど)は血管を広げて血圧を下げる薬です。動悸、顔のほてり、足のむくみなどが現れる場合があります。
アルファ遮断薬(カルデナリンなど)は血管を収縮させる交感神経の働きを抑えることで血圧を下げます。
 アンジオテシン変換酵素阻害薬(レニベースなど)は血管を収縮させ、血圧を上昇させる働きのあるホルモンのアンジオテンシンIIが作られるのを抑えることで血圧を下げます。
 アンジオテンシンII受容体ブロッカー(ブロプレスなど)はアンジオテンシンIIの作用を抑え血圧を下げます。前者の方が多少乾いた咳が出やすい副作用があります。
 高血圧は放置しておくと血管が傷ついて破れたり、詰まったりしやすくなり脳卒中や心筋梗塞の危険性が高くなります。そのため降圧薬で血圧をきちんとコントロールすることが大切です。薬の服用などについて自分で判断してしまうのは危険です。医師の指示とおり服用するよう心がけてください。

(薬剤科 橋本 未雷)

【心臓病と食事】

 食生活の洋風化とともに虚血性心疾患である狭心症や心筋梗塞が増加の傾向にあるといわれています。
 虚血性心疾患の主な原因となる冠状動脈硬化を促進させる因子としては高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などがあります。したがって心臓病の食事療法はこれらの因子を除き、その促進を抑えるための食事ということになります。
 心臓病を予防し、治療するためには次のことに注意しましょう。・バランスのとれた食事を、・太り過ぎの人は減量を、・コレステロールの多い食品を摂り過ぎないように、・動物性脂肪は控えめに、・塩分を控えましょう、・野菜や果物を十分に、・穀物、甘いもの、アルコール飲料の摂り過ぎに注意、など特に野菜を十分にとることは血圧の上昇を抑え、動脈硬化を防ぐうえでも大切です。
 減塩食の工夫としては、・新鮮な材料を使用する、・酸味を利用する、・香辛料や香味野菜を利用する、・焼き味、・香ばしさを利用する、・昆布かつおなど出しを利かせる、・砂糖を控える、・醤油やソースを直接料理にかけるのは止める、などがあります。
 薄味に慣れてくれば食品の持つ自然の味がわかってきて新しい味の発見の楽しさがあります。

(管理栄養士   浅井 和子)


診療の特色

<循環器>

循環器科では、高血圧や狭心症、心筋梗塞、不整脈などの心臓関係の病気や、手や足の動脈硬化に関連した病気を専門としています。現在当院では6名の医師が担当しており、循環器外来、救急外来、心臓カテーテル検査などを分担して行っています。長く歩くと足がしびれてくる疾患に閉塞性動脈硬化症というものがありますが、これに対して血管新生療法という新しい治療法を熊本県下で唯一行っているのが特徴です。今年から、西洋医学の薬だけでは治療の難しい患者様に対し、漢方(エキス)治療も始めましたので、お気軽にご相談下さい。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック