【第81号】 大腸癌について 大腸癌に使われる薬 大腸と食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第81号】 大腸癌について 大腸癌に使われる薬 大腸と食事

【大腸癌について】

 大腸癌とは大腸の粘膜からできてくる悪性の腫瘍です。大腸癌には2つのでき方があるといわれています。ひとつはまず、良性のポリープができ、それが大きくなるうちに一部から癌ができてくるでき方。もうひとつは、いきなり大腸の粘膜に癌ができてくるでき方です。
 内視鏡で大腸のポリープを切除することにより癌ができる前に治療したり、できはじめの癌であれば癌を摘除することが可能です。しかし癌が粘膜を越えてさらに深い粘膜下層に深く入り込んでしまったり、それよりもさらに進行した癌になってしまった後では手術による治療が必要となります。適切な治療を受けた大腸癌は他の癌に比べ、比較的治療しやすいのですが、それでも治療せず、放置すると癌が大きくなり、出血したり、腸閉塞をおこし、さらには肝臓、肺、骨などへも転移し、死に至ります。このため癌をできるだけ早期に発見し、適切な治療を行うことがベストと考えられます。
 最近では大腸の手術にも腹腔鏡による治療が可能となってきており、病状等によっては、より小さな傷で手術が可能となってきています。
 血便や便が細い、残便感がある、下腹部痛、下痢、下痢と便秘の繰り返しなどの症状がある方は早めに大腸内視鏡検査、バリウム注腸検査で大腸病変を確認することが大切です。
 手術治療による治癒率は胃癌に比べ高く、転移があっても切除可能なものは積極的な治療の対象となることがあります。また、抗がん剤などの化学療法にもいろいろな薬が開発されており、効果が期待されています。

(外科  甲斐 幹男)

【大腸癌に使われる薬】

 全身に広がったがんへの有効な治療手段として抗がん剤による薬物療法が行われます。一般的に抗がん剤による治療を「がん化学療法」といい、注射薬による治療が中心となります。抗がん剤は体内に拡がった癌細胞の中に入り込み、その増殖を阻害して死滅させる働きがあります。また、死滅させることができなかった場合でも、治療する薬剤の量を少なくして使用することで患者さんの生活の質を極端に低下させずに延命させる効果があります。さらに、手術後の再発を防ぐ効果もあります。
 大腸癌に用いられる代表的な抗がん剤として、5-フルオロウラシル(5-FU)、塩酸イリノテカン(カンプト)、オキサリプラチン(エルプラット)などの注射薬があり、通常他の抗がん剤などと併用して使用されます。最近では(ティーエスワン、ユーエフティ、フルツロン、ゼローダ)などの内服薬でも効果が期待されています。
 化学療法において副作用は避けて通れないものです。主な副作用としては、「吐き気や嘔吐」、「食欲不振」、「末梢神経障害」、「骨髄の障害」などありますが、副作用を和らげるための薬物療法の進歩により、あらかじめ必要な対策をたてておくと症状の悪化を防ぐことができます。副作用対策と日常生活のアドバイスをよく守って対応していただくことが治療を続けて行う上で必要です。また、治療中や治療後に気になる症状が現れた場合には医師、薬剤師などに相談してください。

(薬剤科 竹田 清子)

【大腸と食事】

 たんぱく質・脂質・糖質を三大栄養素といいますが、食事から摂ったそれらの栄養素は消化され、主に小腸で吸収されます。大腸は小腸で吸収されなかった水分や電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)を吸収します。さらに、お腹の調子を整える腸内細菌をたくさん持っています。
 腸閉塞や大腸癌切除などの手術後、食事を取るまでの期間が長い場合は、水分や電解質の管理を含めて高カロリー輸液により栄養補給を行います。食事が始まった際には、刺激の少ない、消化・吸収しやすい食事内容とし、質・量ともにゆっくりと上げていくことが基本です。
 具体的な献立・調理のポイントは、
(1)糖質(お粥、ご飯、うどんなど)やたんぱく質(豆腐、卵、脂の少ない肉・魚など)を中心とし、煮る、茹でる、蒸すなどの調理法を選ぶ、(2)砂糖の過剰摂取はガスを発生させるので控えめにする、(3)食物繊維の多い食品(ごぼう、れんこん、きのこ、海藻類など)は消化しにくいので控えめにする、(4)刺激の強い香辛料は避ける、などです。食欲が出ない場合は、数回に分けて少しずつ食べたり、好みの物を取り入れたりすることをお勧めします。
 一方、大腸癌の発生には食物繊維の摂取不足も考えられますので、予防策として、野菜や果物を毎日適量摂ることがお勧めです。

(管理栄養士  尾上 陽子)


診療の特色

<外科>

外科は副院長の池井先生をはじめとし医長2人、医師5人、レジデント2人の10人で胸部外科から内分泌外科、消化器外科の加療を担当しています。このほか当病院には心臓血管は心臓血管外科が、筋骨格は整形外科が、そして皮膚は皮膚科がそれぞれ担当し、また消化器の手術以外の診断治療は消化器科が担当しています。
外科では、甲状腺や乳腺の手術、肺や食道の手術、胃や腸の手術などを主に行っております。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック