【第70号】 ドライアイについて ドライアイと薬 ドライアイと食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第70号】 ドライアイについて ドライアイと薬 ドライアイと食事

【ドライアイについて】

 ドライアイとは、涙液層の質的・量的異常による角結膜上皮に障害がある状態で、乾性角結膜炎とも言われております。
 涙は眼球表面の全体を覆い、それを潤し、目を守るバリアとして働いています。涙の量が減ったり成分が変化すると、その働きが不十分になり、角膜や結膜が 乾燥し、傷つきます。といっても、その状態を「目が乾く」と感じる患者さんはそれほど多くはなく、目が疲れる、目がしょぼしょぼするなどの目の不快感が主 な症状です。疲れ目を訴えて眼科を訪れる人の約6割は、ドライアイが関係しているという調査もあります。
 では、なぜ目が乾くのでしょうか。まずは生活習慣病としてのドライアイとして以下の要因があげられます。

  1. 空気の乾燥により涙液が蒸発しやすくなります。また、湿度が高い夏場も、クーラーの利いた部屋にいると目が乾きます。
  2. 瞬きが少なかったり、不完全な場合も目が乾燥しやすくなります。最近はパソコンや携帯電話などの普及により増加傾向にあります。
  3. コンタクトレンズ装用の人もドライアイになりやすいです。

 以上のような環境要因の影響以外にも、シェーグレン症候群、結膜炎などの病気でもドライアイを招きます。
 ドライアイの診断は、専用濾紙を下まぶたに挟んで5分後に判断します。10mm以上濡れていれば正常、5mm以下だとドライアイと診断されます。
 目の乾燥を防ぎ傷ついた角結膜を修復するには、まずは人工涙液を点眼して直接、目の表面を潤すことが大事です。
 人工涙液の頻回点眼でも乾燥を防げない場合は、涙点にプラグを挿入したり、手術で涙点を閉鎖することによって、高い効果を得ることが出来ます。その他ドライアイ専用眼鏡を装用することによって、眼球表面からの涙の蒸発を減らす方法もあります。
 ドライアイは生活習慣病として現在増加傾向にある病気です。目の乾燥感、疲れ、異物感、充血、流涙といった症状があれば一度眼科受診されてはいかがでしょうか。

(眼科医師 行徳 雄二)

【ドライアイと薬】

 ドライアイの原因はさまざまであり、テレビやパソコンの長時間の注視といった環境的要因やシェーグレン症候群などの病気の一症状として起こることが知ら れています。また、精神安定剤やβ遮断薬(高血圧、狭心症の治療や点眼薬として緑内障にも用いる)の影響で起こることもあります。また、目薬の種類や点眼 回数によって起こることもあります。新しい薬を飲み始めたり、目薬をさし始めてから、目が乾く・疲れるなどの症状が出た時には、一度相談してみることも必 要です。

<ドライアイの治療薬>

 一般的に症状が軽い場合は、涙を補充する目的で人工涙液(マイティアなど)を使います。症状が強く点眼回数が増える場合には、防腐剤の入っていない点眼薬を使います。防腐剤なしの点眼薬の場合、5ml点眼ビン入りでは使い始めてから約10日以内で使い切ることが大切です。その他、目の表面の荒れを治したり、涙液を安定化させ乾燥を防ぐヒアルロン酸(ヒアレイン、ヒアレインミニなど)や目の表面を保護するコンドロイチン(コンドロンなど)などがあります。また、目の表面に傷があり、まばたきをすると異和感・痛みがある場合には、潤滑剤として眼軟膏を一緒に使う場合もあります。

<上手な点眼薬の使い方>

  1. 手を洗って清潔に使いましょう。
  2. 点眼液容器の先が目やまつげにつかないようにしましょう。
  3. まぶたには触らず、まぶたの下を引っ張ってさしましょう。
  4. 複数の目薬を使うときは、5分くらい待って次の目薬をさしましょう。
  5. 目薬をさしたら、目頭を押さえ1分ほど目を閉じておきましょう。薬液が鼻に流れていかないようにするためです。同様の理由でしばらくまばたきは控えた方がよいでしょう。

 目薬は保存方法、使い方に注意して上手に使いましょう。

(薬剤師 林 稔展)

【ドライアイと食事】

 ドライアイは涙の質や量の低下により眼の表面に障害を生じる疾患です。涙が足りないと眼は乾いて傷つき易い状態となり、重症になると眼の表面に無数の傷 がついている場合もあります。傷から細菌が入り込み眼全体が感染し、傷が深くなって視力が低下するおそれもあります。
 ドライアイの主な原因には(1)涙の質や量の変化…高齢、夜更かし、ストレスなど。(2)まばたきが少ない…コンピューター、ワープロ、テレビ、運転など。(3)涙が蒸発し易い…乾燥した部屋など。(4)そのほか…コンタクトレンズ、大気汚染、紫外線などがあります。
 眼に効く食材としてはよく知られているものにブルーベリーがあります。これは天然色素のアントシアニンが眼の機能の向上、維持、血管障害系の疾患に有効であり、疲れ眼などで眼の機能が落ちている時の視力回復に効果が期待できます。  
 そのほか豚レバー、しそ、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどに含まれているビタミンAは暗いところで眼の働きをよくし、眼の粘膜を保護します。また、豚ヒレ肉、うなぎ、ごま、枝豆、大豆などに含まれているビタミンB1は、眼の神経の代謝を支えます。豚レバー、アーモンド、うなぎ、納豆などに含まれてるビタミンB2は眼の機能を活性化します。ピーマン、レモン、ブロッコリー、にがうり、いちご、しし唐辛子などに多く含まれているビタミンCは眼の充血をとって疲労を回復し血管を強くする働きがあります。  
 からだによいとされる食べ物でも過剰にならないようにしましょう。特にブルーベリーもジャムの場合は砂糖がたくさん含まれていますので控えめにします。食・生活習慣を見直して、眼をたいせつにしましょう。

(管理栄養士 浅井 和子)


診療の特色

<眼科>

国立病院機構熊本医療センター眼科は、現在手島医長をはじめとして米村医師、行徳医師、岡元医師の4人で、日々の診療に励んでおります。  
熊本大学病院眼科医局の関連病院の一つとして、病病・病診連携を積極的に行い、熊本市以外からも多数の患者様が当科を受診されます。  
当科の特色としては、白内障手術を中心に緑内障手術、硝子体手術といった内眼手術を主に行っており、その他涙道手術、眼瞼下垂・内反症といった外眼手術も行っております。  
また、県内では珍しく眼科救急疾患に対しても力を入れており、24時間体制で眼科診療を行っております。
目について何かわからないことがございましたら、お気軽に眼科外来を受診されて下さい。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

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