【第65号】 口腔乾燥症について 口腔乾燥症と薬剤 口腔乾燥症と食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第65号】 口腔乾燥症について 口腔乾燥症と薬剤 口腔乾燥症と食事

【口腔乾燥症について】

 口腔乾燥症は、唾液分泌量の減少による口腔内の異常な乾燥状態を示す症状名で、口が渇く、ねばねばする、しゃべりにくい、飲みこみにくい、味がわかりにくい、口の中や舌が痛い、ひりひりする、汚れやすい、口が臭い、入れ歯が装着しにくい、くちびるが切れるといった自覚症状があります。また、唾液の減少は口腔内の自浄作用が不良となり、むしば、歯周病、口腔カンジダ症が発生しやすく悪化しやすい状態になります。
 原因には、(1)腺因性(唾液腺の萎縮によるもので、シェ−グレン症候群などの慢性の萎縮性唾液腺炎、頭頚部の放射線治療、加齢など)(2)薬物性(長期連用により唾液分泌を抑制する副作用のある薬の内服)(3)全身性代謝疾患(熱性疾患、脱水症、下痢、糖尿病、尿崩症など)(4)神経性(顔面・舌咽神経の障害、極度の精神緊張、自律神経障害など)があります。原因によって治療法は多少異なってきますが、シェ−グレン症候群では唾液分泌を促進する薬が使用されます。原因除去が困難なものや治療期間中で症状が改善するまでは、保湿剤入り洗口液、保湿ジェル、人工唾液などによる口腔内湿潤・乾燥症状の改善、リップクリームによる口唇の保湿などの対症療法が行われます。それと同時に口腔乾燥症に対する生活習慣指導として、高齢者ではのどの渇きの感覚が減退するので意識して少しずつ水分補給すること、唾液の分泌を促すためにレモン水でうがいすること、野菜・果物など清掃性食品を摂りよくかむこと、砂糖の摂取を控えキシリトールなどを代用すること、飲酒・喫煙・カフェインの摂取をひかえることなどの指導を行っています。また、口腔乾燥で生じたむしば・歯周病・口腔カンジダ症は治療を行うとともに口腔粘膜清掃、入れ歯の清掃、歯みがきの指導を行って再発予防に努めています。

(歯科医師 兒玉 美穂)

【口腔乾燥症と薬剤】

 口腔乾燥症とは、色々な原因による唾液の分泌低下のため、口腔内が乾燥状態になることをさします。口腔内の乾燥は虫歯や歯周病を引き起こす原因になります。歯垢の除去、虫歯の治療など歯の衛生管理は大切です。また、唾液の分泌が低下するために、舌の表面に食物の残りが付着します。口唇も乾燥して、ひび割れや口角炎を起こすこともあります。その結果、咀嚼、嚥下、発音などの障害や口臭の原因にもなります。  
 口腔内乾燥の原因として、(1)唾液腺の低下、障害(唾液分泌機能低下、放射線治療、シェーグレン症候群など)、(2)心因性による(精神緊張、うつ病、自律神経障害など)、(3)脱水(下痢、嘔吐、発熱、発汗、高血糖など)、(4)各種薬剤の副作用が上げられます。  
 口腔内乾燥の対応策として、(1)十分な水分(スポーツドリンクやレモン水)をとり、口唇にはワセリンやリップクリームを塗り水分の蒸発を防ぎます、(2)できるだけ頻回の口腔清掃をする、(3)室内環境の整備(加湿器の使用、換気、室温・湿度の調整)、(4)人工唾液サリベートの噴霧などを行います。  
 口腔内乾燥を起こす可能性のある主な薬剤として、(1)利尿剤(ラシックス、フルイトラン)、(2)抗コリン剤(アトロピン、ブスコパン)、(3)抗ヒスタミン剤(ポララミン、レスタミン)、(4)抗パーキンソン剤(アーテン、アキネトン)、(5)向精神薬(抗うつ剤、トランキライザー)などがありますので、主治医と相談してください。

(薬剤師 白木 善孝)

【口腔乾燥症と食事】

 口腔乾燥症は唾液の分泌量の減少により、口のなかが乾燥した状態を云います。この状態が長くつづくとむし歯や歯周病が多発し、食事を摂ったり呑みこんだりすることが難しくなります。原因は多岐にわたりますが全身的な要因としては糖尿病、貧血、ビタミンB欠乏症、高熱や脱水、老化なども挙げられます。治療は原因をみつけてその除去を行います。
 糖尿病の血糖コントロール不良の場合は感染に対する抵抗力が弱く、治癒能力も低下しているため口腔乾燥症に加え歯周炎や親しらずの炎症などが起き易い状況にあります。従って血糖値の改善が基本となります。常に体格に見合った食事を摂取するようにこころがけましょう。また、貧血の場合も鉄を含む食品だけでなく食生活全体の見直しをしてみましょう。鉄を多く含む肉類や魚介類と、新鮮な野菜・果物などビタミンCを多く含む食品を同時に摂ると吸収率が上がります。
 そのほかビタミンB類、葉酸、銅なども摂るようにしましょう。ビタミンB類を多く含む食品としては豚ヒレ肉、カレイ、鯛、鯖、大豆、菜の花、小松菜、ほうれん草などがあります。葉酸は肉類や若布、ひじき、昆布などの海藻類に含まれています。要するに多種類の食品を少しずつ満遍なく摂取することが予防に繋がっていきます。

(管理栄養士 浅井和子)


診療の特色

<歯科・歯科口腔外科>

当科では口腔外科領域の治療を中心に有病者歯科医療(心疾患、高血圧症、糖尿病等の基礎疾患を持った患者様の歯科治療)、高齢者歯科医療、救急医療並びに一般歯科医療を行っております。 口腔外科領域では、歯科医院から依頼された智歯(親知らず)の抜歯が最も多いのですが、その他に口腔や顎骨に発生する腫瘍、嚢胞性疾患、炎症等や救急医療として顔面外傷、顎骨骨折などがあります。 
有病者歯科医療や高齢者歯科医療は、今後、増加してくると考えられますが、総合病院の特性を充分に活かして各科と相談しながら細心の注意を払って行っております。

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ただし、急患はいつでも受診できます。

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