【第63号】 かぜ・気管支炎・肺炎の予防について かぜの治療 かぜにビタミンC | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第63号】 かぜ・気管支炎・肺炎の予防について かぜの治療 かぜにビタミンC

【かぜ・気管支炎・肺炎の予防について】

 私たちは粉塵や雑菌を含む空気を呼吸しているため、呼吸器の感染の機会は多く、かぜは誰もが年3〜4回かかると言われています。
 かぜと急性気管支炎の原因のほとんどはウイルスです。ウイルスを吸い込んでも気管支炎になるのは7割程度で、すべての人が発病するわけではありません。発病は、吸い込むウイルスの量、抵抗力の低下、慢性の呼吸器疾患の有無に左右されます。従ってかぜや気管支炎の予防としては、規則的な生活を心がけ、バランスのよい食事と十分な睡眠をとり、飲酒と喫煙の節制に務めて抵抗力を落とさないようにします。また慢性の呼吸器疾患の人はかぜの時は直ちに受診し、肺炎に進行しないように早めに抗生物質を服用します。
 かぜは、咳やくしゃみをした時に吐き出されるウイルスを周囲にいる人が吸い込んだり、ウイルスの付いた手で口や鼻を触ることで起こります。従ってかぜの流行時には、マスク、うがい、手洗いをして吸い込むウイルスの量を減らすよう心がけます。
 かぜのウイルスは気温10℃以下で、湿度の低い季節に繁殖力を増し流行するので、感染予防として冬は部屋を適度に暖かくし、加湿することが大切です。
 気管支炎にかかった場合には安静と水分の補給に努めます。発熱は、ウイルスに対する防衛反応なので体に有利であり、安易に解熱剤を使用すべきでないとされています。
 ウイルスによる気管支炎の約半数では、引き続き細菌による感染を引き起こしてきます。細菌による気管支炎が起こると、咳とともに黄色のきたない痰が出るようになり、抗生物質の投与が必要です。この時期の治療が不十分だと、感染がさらに気管支の奥へと進行し、高熱、咳、痰、倦怠感などの症状のある肺炎を引き起こします。
 高齢者の肺炎は、口内の雑菌を肺に吸い込むために起こり、睡眠中の咳反射の低下が原因です。従って高齢者の肺炎予防は、食後は歯を磨き口腔内を清潔に保ち、寝る前にイソジンでうがいを励行します。
 肺炎をおこす重要な菌は肺炎球菌です。その予防として肺炎球菌ワクチンがあります。呼吸不全のある患者さんにはこのワクチンが必須で、5年に一度の接種でよく、これにより肺炎での入院や重症化が予防できます。
 インフルエンザ予防の第一は予防接種です。インフルエンザの診断は喉や鼻からのぬぐい液を調べることですぐに結果が出ます。またインフルエンザの治療としては抗インフルエンザ薬があり、発症48時間以内に投与すれば症状を軽くすることができます。しかし普通のかぜのウイルスに効く予防接種や抗ウイルス薬は現在のところありません。

(内科医長 島田 達也)

【かぜの治療】

 かぜによる症状を緩和する目的で、以下のような薬を用います(対症療法)。  
 高熱が続く時は、バッファリンやロキソニンなどの解熱鎮痛剤で熱を下げます。頭痛や筋肉痛、関節痛などの痛みを緩和する作用もあります。しかし、この薬は喘息を起こすことがあるので注意が必要です。  
 鼻水やくしゃみにはポララミンなどの抗ヒスタミン薬が使われますが、眠気があるため車の運転などは注意しましょう。  
 咳がひどい時は、体力を消耗し睡眠の妨げになるのでメジコンなどの鎮咳薬なども使います。  
 かぜの症状として下痢が強い場合は下痢止めが使われます。  
 抗生物質は病気の原因となる細菌を殺す薬ですが、ほとんどのかぜの原因であるウイルスには全く効果がありません。  
 しかし、細菌感染が疑われた場合や、合併している場合、基礎疾患により肺炎などを起こしやすい場合には予防的に使用されます。  
 かぜは「万病の元」と言われる様に、こじらせると様々な病気を引き起こしますので、高齢者の方、種々の慢性疾患をお持ちの方、寝たきりの方などは特に注意をしましょう。

(薬剤師 白木 善孝)

【かぜにビタミンC】

 みかんの美味しい季節になりました。昔から「みかんをたくさん食べるとかぜをひかない」とよく言われます。
 みかんには、柑橘類や野菜に含まれるビタミンAやビタミンCが豊富です。ビタミンAは粘液を増やしてウイルスの進入口である鼻やのどの粘膜の表面をきれいにしてくれる働きがあります。またビタミンCには免疫を維持する働きがあり、かぜのウイルスを撃退してくれる力を持っています。
 レバーやたら・小松菜・人参などにもビタミンAは多く含まれます。これは脂溶性で油脂に溶けますので、牛乳などの乳化した油脂と一緒に摂ると吸収率が高くなり、より効果があがります。ビタミンCはいちごや柿にも多く含まれますが、この季節なにかとお酒を飲む機会のある方には二日酔いの予防効果もあるのでみかんを是非どうぞ。
 またビタミンCは排泄されやすく、こわれやすいビタミンですので新鮮な野菜を毎日摂ることをお勧めします。
 この冬はビタミンA、ビタミンCをしっかり摂って、かぜに負けない抵抗力を作りましょう。

(管理栄養士 南郷 有佳里)


診療科の特色

<呼吸器内科>

外来診療の担当医は、月・水・木曜:島田、火曜:高橋、金曜:北里です。
冬は呼吸器の感染症が増加します。当科では呼吸器感染症の対策として、肺炎予防のための肺炎球菌ワクチンの接種、気管支喘息発作防止のためのステロイド吸入の徹底、慢性呼吸不全の急性増悪の早期診断と治療、1月から流行するインフルエンザの迅速な診断と治療などを行い、呼吸器感染症の重症化防止に努めています。

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