【第62号】 インフルエンザ対策 インフルエンザに使用される薬剤 インフルエンザと離乳食 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第62号】 インフルエンザ対策 インフルエンザに使用される薬剤 インフルエンザと離乳食

【インフルエンザ対策】

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる呼吸器感染症で毎年1〜2月に流行のピークがみられます。39〜40℃の急激な発熱、倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が強いの特徴で、一般の風邪にみられる喉が痛い、鼻がむずむずする、鼻汁がでる、くしゃみや咳などの訴えはそれほど目立ちません。
 シーズン中の罹患率は一般人口の5〜10%といわれているほどに(高齢者施設や家族内などの集団ではさらに高くなる)流行の規模が格段に大きく、風邪の場合とはまったく異なります。
 感染は主として飛沫感染によりおこり、感染後1〜5日、とくに最初の3日間が最も感染力が強いといわれます。とくに65歳以上の老人、喘息などの慢性呼吸器疾患、心血管系疾患、糖尿病を有する患者さん、6ヶ月未満の幼児などでは原疾患の重症化や肺炎の併発をきたしやすく、いわゆるハイリスク集団と考えられとくに注意が必要です。
 また毎年100〜200名(1/3が死亡)の発生が報告される乳幼児のインフルエンザ脳症も大きな社会問題となっています。
 インフルエンザに対する感染防止対策としては、手洗い、うがい、十分な睡眠や栄養をとる、人込みを避ける、部屋の湿度を保つ(乾燥状態でウイルスが増殖しやすいため)など普段からの注意が必要です。
 しかし何といっても予防の基本はワクチンといえます。最近のワクチンは流行株との一致率が高く、十分な予防効果が期待できます。(高齢者の場合、ワクチン接種群では死亡率を20%減少させる。)
 また万一インフルエンザに罹患した場合でも、最近有効な抗ウイルス剤が登場したので、早めに服用することですみやかな回復が得られるようになりました。

(小児科医長 高木 一孝)

【インフルエンザに使用される薬剤】

 予防の基本はワクチン接種ですが、一旦かかった場合には、抗ウイルス薬や抗菌薬、解熱薬が使用されます。

  1. 抗ウイルス薬
     ウイルスの増殖を抑制します。発病後48時間以内に開始することが重要で、オセルタミビル(タミフル)等があります。
  2. 抗菌薬(抗生物質)
     インフルエンザに直接効くものではありません。インフルエンザにかかったことにより、他の細菌による感染症(肺炎や気管支炎など)かかりやすくなったりしますが、このような場合に使用されます。
  3. 解熱薬
     小児で安全だと言われているのは、アセトアミノフェン(アンヒバ、カロナール)です。アスピリンや市販の風邪薬のなかには、ライ症候群(発熱、水疱など)との関連が示唆されている薬剤が配合されており使用しないことになっています。
  4. ワクチン
     体内に抗体をつくり、病気にかかりにくくしたり、かかっても重くならないようにするのが予防接種です。流行(12月下旬から3月)の前の12月までに接種されることをお勧めします。重篤な卵アレルギーの方や、まれですが、副作用もおこることもありますので、かかりつけの医師と相談して下さい。

(薬剤師 東島彰人)

【インフルエンザと離乳食】

 離乳食を与えている乳児がインフルエンザに感染した場合、急な発熱や食欲不振、さらに下痢や嘔吐を伴うこともあります。発熱があると発汗によって脱水症を起こし易くなり、また体温の上昇でエネルギー必要量が増加しビタミン類の消耗も激しくなります。発熱があり、食欲が低下している場合はまず、ほかの症状をよくチェックして医師に診察してもらい、離乳食も含めて相談することがたいせつです。
 一般的な発熱や下痢、吐き気、嘔吐がつづく場合の食事の進め方としては、(1)離乳食を中止して乳汁中心に戻します。一時的に吐き気がひどい時は肺に吸い込む恐れがありますので絶食にします。治まってきたら(2)水分の補給をします。湯さまし、番茶、麦茶、乳児用電解質飲料、野菜スープなど。(3)便の状態をよく観察し、消化吸収力に応じた食事を医師の指示に従って徐々に進めます。最初は離乳開始の要領で、くず湯、お交じり、かゆ、マッシュポテト、パンかゆ、温めんなどにします。(4)便の性状を硬くする食品、りんごやにんじんなどを利用することもよいでしよう。
 また少々の熱があったり、一時的に下痢が見られたとしても機嫌や食欲が普段と変わらずに体重増加も順調であればあまり心配はいりません。これまで進めてきた離乳食の変更はしなくてよいでしょう。

(管理栄養士 浅井和子)


診療科の特色

<小児科>

子どもの健康上の問題全般(身体的精神的疾患)について診療をおこなっています。一般小児診療としては感染症が大部分で、呼吸器、消化器感染症(風邪、気管支炎、肺炎、嘔吐下痢症、腸炎など)に対して外来、入院による治療をおこなっています。その他喘息、けいれん性疾患、腎疾患、膠原病など幅広く受け付けています。とくに小児の血液疾患(白血病、貧血、紫斑病、血球貪食症候群など)については化学療法、造血幹細胞移植や免疫抑制療法などの専門的治療をおこなっています。また入院治療を要するような救急の患者様については常時受け付けています。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック