【第60号】 痛風について 痛風のお薬 痛風の食事療法 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第60号】 痛風について 痛風のお薬 痛風の食事療法

【痛風】

 痛風は、「尿酸」という物質が血液中に増え、それが関節内に漏れ出して結晶化することによって引き起こされる関節炎です。症状は、疼痛発作として出現し、ほとんどが母趾(足の親ゆび)の付け根の関節におきます。赤く腫れて、万力で締めつけられたように激烈な痛みです。2、3日は全く歩けなくなるほどで、1週間から10日経つとしだいに症状が治まります。ただし半年から1年後にまた同じような発作がおこり、発作を繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔も次第に短くなってきます。このような痛風発作に対する治療の基本は関節炎を沈静化させることで、鎮痛剤の内服あるいは注射が有効です。
 高尿酸血症が原因である痛風はその耐え難い関節炎発作のため、「痛み」ばかりが注目されますが、高尿酸血症の問題となるのは長期に渡る合併症です。尿酸は主に腎臓から排泄されるため、尿酸が腎臓に沈着すると障害を引き起こします。また高尿酸血症は肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病とも合併しやすく、虚血性心疾患や脳血管障害を引き起こす割合も高くなります。尿酸値を上昇させる要因は、1)遺伝的な要因、2)食生活(高エネルギー食、動物性食品)、3)飲酒、4)肥満、5)ストレス、6)その他に病気、薬剤などがあり、血清尿酸値が7.0 mg/dL(標準値:男性3.8〜7.5 mg/dl、女性2.4〜5.8mg/dl)を超えたら食事療法、運動療法などにより生活習慣を改善しなければなりません。積極的に尿酸値を下げるためには尿酸コントロール薬の服用が必要です。これらの薬により尿酸値は正常範囲に戻りますが、勝手に薬の量を減らしたりすると血清尿酸値はすぐに高くなり、ふたたび痛風発作を起こすことに繋がります。高尿酸血症の治療は主治医の指示に従って根気よく続けることが重要です。

(整形外科医師 廣瀬 隼)

【痛風のお薬】

 痛風発作の治療は急性発作の治療と高尿酸血症の治療に分類されます。
 前者には痛みの原因となる炎症を抑えてくれるお薬としてコルヒチン、非ステロイド抗炎症剤(ボルタレン、ロキソニン等)、ステロイド剤が使用されます。コルヒチンは発作の前兆期あるいは初期から1錠ずつ数時間おきに服用し、発作が治ったり、腹痛、下痢、悪心がでたら中止してください。非ステロイド性抗炎症剤は、発作時に短期的に処方されます。両者を用いても効果が得られない場合や、使用できない場合にステロイド剤が使用されます。
 後者は血中尿酸値のコントロールを目的とした長期にわたる治療となります。尿酸排泄が低下している場合には、尿酸排泄促進薬(ユリノーム等)、尿酸産生が過剰な場合には尿酸産生阻害薬(ザイロリック等)が用いられます。
 また、尿酸値は下げませんが、尿中の尿酸を溶けやすくして尿路結石を予防する薬としてウラリットがあります。毎日服用して体内に蓄積した尿酸を減らし、痛風発作を予防したり腎障害を改善させる薬です。
 これらの薬は、相当長期間続けることが必要です。医師の注意を良く守り、指示どおり服用するようにしましょう。
 お薬、食事、そして定期的な診察、検査が病気を治すポイントです。

(薬剤師 鶴 泰史)

【痛風の食事療法】

 痛風は昔、日本人にあまり縁のない病気でした。ところが食習慣が欧米化し、高タンパク・高脂肪の食生活に変わってきたことにより増えてきた病気なのです。痛風はその名のとおり、風が吹いても痛むと言う痛風発作をもたらします。痛風発作の原因の尿酸は、生活習慣のなかでも特に食生活に深い関わりがあります。食生活の改善は、痛風の治療には欠かせないものなのです。つまり過食・肥満・アルコールの摂りすぎのある方は 食事や間食・酒のつまみ等からも必要以上のエネルギー量を摂らないように注意しましょう。
 そのほかに注意することしては、1,尿酸のもとであるプリン体の多い食品を食べ過ぎない。プリン体はレバー・牛ヒレ・ロース肉・えび・かに(かにみそ)・アジの開き・等の動物性食品に含まれています。2,アルコールを控える。尿酸の合成を促進させるだけでなく、尿酸の排出を妨げ、尿酸値を高くします。特にビールは、お酒に比べてプリン体を非常に多く含んでいます。くれぐれも飲み過ぎないように注意しましょう。3,尿をアルカリに傾ける食品を多くとりましょう。尿が酸性に傾くと尿酸が溶けにくくなり、結晶化しやすくなります。わかめ・こんぶ等の海藻・牛乳・緑黄色野菜は尿をアルカリに傾けるだけでなく、ビタミン類を多く含む低カロリー食品なので是非お勧めしたい食品です。

(管理栄養士 南郷 有佳里)


診療科の特色

<整形外科>

整形外科では、変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患のほか、骨折・脱臼などの外傷による疾患、スポーツ外傷・障害などを中心として幅広く診療を行なっています。最近では、高齢化社会を反映て、高齢者の転倒による脊椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折が増えています。
当科では、多くの疾患の入院治療に際しクリティカルパス(詳細な診療計画表)を導入し、入院後の予定や、リハビリの進行度などが患者様にもわかるようになっています。
また、地域医療連携に積極的に取り組んでおり、転院される場合、患者様が安心して他の医療施設で継続した治療がお受けになられるよう医療連携用クリティカルパスも用いています。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック