【第58号】 子宮内膜症 子宮内膜症の薬物療法 更年期疾患と食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第58号】 子宮内膜症 子宮内膜症の薬物療法 更年期疾患と食事

【子宮内膜症】

 子宮内膜症は、子宮の内側を被う内膜に似た組織が、子宮の内側以外の場所に発生し、正常の内膜と同様に、月経周期に合わせて出血を起こす病気です。卵巣に発生するチョコレート嚢腫や、子宮筋層に発生する子宮腺筋症などがあります。
 子宮内膜症は、内診、血液検査、超音波検査、CT、MRIなどの検査で診断を行います。また、腹腔鏡検査により診断を行う場合もあります。
治療方法は、内膜症の程度や、年齢、妊娠の希望があるかどうかによって決定します。その方法には、薬物療法と手術療法があり、薬物療法には、鎮痛薬を用いた対症療法と、女性ホルモンの分泌を抑え、病巣を小さくする偽閉経療法、ピルを用いた偽妊娠療法があります。これらの治療が無効な場合や、副作用により継続出来ない場合には、手術を考慮します。手術療法には、病巣のみを切除する保存的手術と、病巣のある子宮・卵巣を全て取り出す根治手術があります。最近はこれらの手術を腹腔鏡下に行う施設が増えてきました。 
 最近、20歳代から30歳代を中心に、子宮内膜症の患者さまが増加しつつあります。その理由として、子宮内膜症がテレビ番組や雑誌等で取り上げられるよ うになり、患者さま自身の関心が高まり、産婦人科の受診率が増えたことや、腹腔鏡等の診断技術の進歩により、ごく早期の段階で診断されるようになったこと が挙げられます。その一方、子宮内膜症は、経験する月経回数が増加するほど発生しやすいと考えられ、晩婚化・少子化・初経年齢の若年化などが、増加の一因 とも考えられています。また、環境ホルモンの影響も注目されています。
 子宮内膜症は、進行すれば激しい月経痛や、性交痛、腹痛の原因となり、また、不妊症の一因になるともいわれています。
 あてはまる症状があれば子宮内膜症が疑われますので、産婦人科受診をおすすめします。

(産婦人科医師 永井 隆司)

【子宮内膜症の薬物療法】

 子宮内膜症の薬物療法には、疼痛を目的とした対症療法と病巣の縮小を目的としたホルモン療法があります。
 対症療法は、疼痛の主な症状の月経痛、下腹部痛などの強い痛みに応じて抗炎症剤を用います。
 ホルモン療法は、子宮内膜症が女性ホルモンであるエストロゲンの影響で起こる病気であることから、エストロゲンの働きを抑えて治療するのがホルモン療法です。ホルモン療法には偽閉経療法と偽妊娠療法があります。
 A、偽閉経療法に用いる薬剤にはスプレキュア点鼻スプレーがあり1日2から3回連日点鼻します。また、4週間に1回の注射薬があり、約4〜6ヶ月使用します。副作用としては更年期障害様症状や骨量の低下などがあります。
 性ステロイドホルモンにはダナゾールがあり、約4ヶ月内服します。副作用として体重増加やにきびが出やすいなどがあります。
 B、偽妊娠療法に用いる薬剤には黄体ホルモンと黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤がありますが、最近は子宮内膜症の第一選択薬に使われることは少なくなってきています。
 薬物療法は治療目的や患者様の希望により適切な薬剤が異なりますので、専門医とよくご相談ください。

(薬剤師 西山陽子)

【更年期疾患と食事】

 中高年期の女性ホルモンの減少が関係した病気としては、骨粗鬆症や自律神経失調症、コレステロールの増加によって起こる動脈硬化などがあります。また子 宮や卵巣、乳腺といった場所にできる癌も女性ホルモンが関係して発症するといわれています。これらは近年増加の傾向にあり、原因として考えられることは運 動不足、ストレス、食生活の変化(脂肪や塩分の過剰)などがあげられます。
 予防としての食事はご自分の体格に合った量を摂取することや栄養バランスがよいことはいうまでもありませんが、最近の研究では特に癌予防の食事として、 コラーゲンを摂ることがよいといわれています。コラーゲンは魚の煮こごりで知られていますが、身近な食材としてゼリーなどの材料に使われるゼラチンがあり ます。ゼラチンは豚の皮や牛の骨などから作られています。この場合はゼラチンや煮こごり食品だけでなく、魚や肉などの良質蛋白質食品と一緒に摂ることがた いせつです。
 動物性蛋白質の1日分の目安としては魚80g(切り身1切れ)肉30〜60g(鶏、豚、牛どれでもよい)卵1個、牛乳200cc程度です。日々の献立にぜひ、ひと工夫しましょう。

(管理栄養士 浅井和子)


診療科の特色

<産婦人科>

当科は、子宮癌、卵巣癌を代表とする婦人科悪性腫瘍の症例をはじめ、婦人科一般、産科一般の症例を取り扱うとともに他に腹腔鏡下手術にも積極的に取り組んでいます。特に、産婦人科救急症例は24時間体制で対応しています。
また、手術や抗癌剤治療に積極的にクリティカルパスを取り入れ、良質で効率的な医療を提供し、患者さまが一日でも早く社会に復帰出来るように心がけています。
更に、精神科を有する総合病院の産婦人科として、精神科疾患合併の婦人科患者さまを積極的に受け入れているのも特色のひとつです。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック