【第56号】 不眠症について 睡眠薬について 不眠症と食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第56号】 不眠症について 睡眠薬について 不眠症と食事

【不眠症について】

 不眠症とは睡眠の質・量ともに不十分な状態が長期間続いているものです。不眠症の診断は、正常者の平均睡眠時間からどのくらい隔たっているかによってなされるものではありません。世にはナポレオンのような短時間睡眠者がおり、睡眠時間が少ないからといって不眠症とはいえないからです。
 不眠症では入眠困難の訴えが最も多く、次いで熟眠困難と早朝覚醒が続きます。通常、これらが合併していることが多いようです。一般には不眠はストレスが増加したときに生じ、不眠が繰り返し経験されると不眠への不安が増大し、それにとらわれ、ますます不眠となるという悪循環が成立します。不眠症者は夜になると不安となり、緊張を高め、わざわざ自分を不眠へと追い込んでいく傾向にあります。
診断は以下の事項が不可欠です。

  1. 入眠困難、睡眠持続の困難、熟眠感のないことなどがある。
  2. 睡眠障害は週3回以上、少なくとも1ヶ月は持続すること。
  3. 昼も夜も不眠にとらわれ、過度な不安がある。
  4. 不眠による苦痛があり、通常の日々の生活に妨げがある。

 不眠は統合失調症、気分障害、神経症性障害、器質性障害のような精神障害の一般的な一症状でもあり、また疼痛を伴う内科、外科疾患にもみられる症状です。
 不眠症の対処としては、1)就寝前はコーヒーなどの刺激物を避け、自分なりのリラックス法を工夫する。2)就寝時刻にこだわらず眠くなってから床に就く。3)同じ時刻に毎日起床する。4)規則正しい食事と運動習慣。5)昼寝をしない、昼寝するならば午後3時前まで20〜30分くらいまでとする。などを取入れてみて下さい。それでも不眠の改善がなければ、薬を利用することも必要と思われます。最近の睡眠薬は癖になるという心配はありません。長期間続く不眠症の方には、外来受診をお勧めいたします。

精神科医長 山下 健昭

【睡眠薬について】

 不眠には入眠障害(寝付きが悪い)、熟眠障害(眠りが浅い)、中途覚醒、早朝覚醒(明け方早く目が覚めてしまう)などがあり、薬剤もその症状によって使い分けられています。
 睡眠薬は、その効果時間で使い分けされます。非常に短い時間(2−3時間)のみ効くものから、短時間、中時間、長時間と、数種類に分類されます。寝付きが悪いだけなら、超短時間作用型の薬でよいわけですが、明け方早く目が覚めてしまうようなタイプの不眠症には、やや長く効くものが必要です。

●現在よく使われている睡眠薬

  1. 超短時間作用型(3時間程度の効果)ハルシオン、マイスリー
  2. 短時間作用型(6時間程度の効果)レンドルミン、デパス、ロラメット
  3. 中時間作用型(12時間程度の効果)ベンザリン、ロヒプノール、ユーロジン
  4. 長時間作用型(24時間以上の効果)ソメリン、インスミン
  5. 精神安定剤(中間作用型で、眠気を引き起こす作用は弱い)セルシン、リーゼ

●注意事項

  1. 就寝前に、服用する。
  2. 睡眠薬を服用するときは、アルコール類を同時に飲まない。
  3. お年寄りの方は、肝臓や腎臓の機能が低下しているために、翌日まで作用が残こったりします。
  4. 副作用として、「眠気、ふらつき、めまい」、「筋肉を弛緩させる作用によって転倒することがある」また、まれですが「健忘」といってのんだあと数時間の記憶がなくなることがあります。必要以上に睡眠薬に頼るのは危険ですので主治医とよく相談して服用してください。特に睡眠薬を他人に渡したりしないように保管に気を付けましょう。

薬剤科 東島彰人

【不眠症と食事】

ぐっすり眠れる食事のポイント
 睡眠には、脳内で分泌するメラトニンというホルモンが深く関係しています。メラトニンは体内時計に合わせて夜になると多量に分泌され、睡眠を誘発します。とうもろこしや米、大根、生姜、キャベツ、バナナなどメラトニンを多く含む食品を夕食にとると効果的です。また、メラトニンはトリプトファンというたんぱく質を原料としているので、卵や牛乳、チーズなどの乳製品、豆腐などの大豆製品、鶏肉や鶏レバーなども夕食に取り入れましょう。一方、コーヒーや濃い日本茶などは興奮して寝つきを悪くしますので、寝る前の摂取は控えたほうがよいでしょう。

規則正しい食事
 朝食は脳の働きを活発にし、体温を上げ、眠気を覚ますなど生活にメリハリがつきますのでしっかり摂りましょう。また、遅い時間に大量の夕食を摂ることは避けましょう。寝るときにまだ胃や腸が働いている状態(消化中)ですと睡眠を妨げてしまいます。特に肉類は消化に時間がかかりますので、遅い時間の多食は睡眠に影響を与えます。空腹で眠れないときは消化のよいものを少量摂るようにしましょう。カルシウムは気持ちを落ち着かせる効果がありますので、温かい牛乳を飲むなどもよいでしょう。

(管理栄養士 西久保百合子)


診療科の特色

<精神科・神経科>

当科の特徴としては、第一に精神病床47床を有する総合病院の中の精神科であり、精神科病院や精神科診療所との連携を通じて入院治療の必要な精神障害の患者様を受け入れています。特に、他科との連携を密にして、身体合併症を有する精神障害の患者様(統合失調症、感情障害、痴呆症など)の入院治療を積極的に行っています。第二に、当院が救急医療に力を入れていることを反映して、救急での外来受診や入院治療に対応しています。第三に、街の中心部にある立地条件を生かして、神経症、心身症、不眠症などの患者様にも気軽に受診して頂いています。

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ただし、急患はいつでも受診できます。

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