【第55号 】 関節リウマチとは 関節リウマチの薬 関節リウマチの食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第55号 】 関節リウマチとは 関節リウマチの薬 関節リウマチの食事

【関節リウマチとは】

 関節リウマチとは、 関節にある滑膜という膜が炎症を起こし、ひいては関節軟骨、骨の破壊を引き起こす疾患です。古くは、約3000年前の北米インディアンの化石に骨の変化を 伴う関節炎を認めたという報告があったり、17世紀の画家ルーベンスの描いた絵画に関節リウマチを思わせる手指の変形が描かれています。
 関節リウマチは30〜60歳で多く発症するといわれ、男女比は1:5と女性に多く発症します。その病因はまだはっきりとしませんが、遺伝的な要因が3 割、環境からくる要因が7割ではないかといわれています。遺伝的な要因としては、HLA−DR4という遺伝子の関与が報告されています。
 環境的な要因としては、数種類のウイルスや細菌など微生物が関与している可能性が報告されていますが、まだ確定的ではありません。
 関節リウマチの症状としては、朝のこわばり、多発性、対称性にでる関節の腫れや痛みが挙げられ、特に手に好発します。また、関節リウマチの活動期には、発熱、体重減少、貧血なども出現します。
 関節リウマチの治療は、 大きく分けると、薬物療法と外科的治療(手術)の二つに分かれます。薬物治療でまず用いられるのは、非ステロイド性抗炎症剤ですが、活動性の高い場合や、 進行性の場合は、抗リウマチ剤が用いられています。また、副腎皮質ステロイド剤も補助的に用いられることがあります。最近は、早期から抗リウマチ剤を使う ことも多くなってきています。また残念ながら、関節炎が進行し、関節軟骨や骨の破壊が進んだ場合には、手術を行ないます。手術の方法としては関節鏡(カメラ)を通して滑膜を切除したり、人工の関節に入れ替えるような手術が行われています。
 いずれにせよ、関節リウマチの治療で大事なことは、早期発見・早期治療です。関節炎の初期に発見し、関節破壊が進む前に薬剤にてコントロールすることが重要です。前述の症状がおありの場合には、専門医を受診することをお勧めします。

(整形外科医師 金井 隆幸)

【関節リウマチの薬】

 関節リウマチの治療薬は、関節の腫れや痛みの原因となる炎症を抑える薬(鎮痛・抗炎症薬、ステロイド薬)と免疫に作用する薬(抗リウマチ薬、ステロイド薬、免疫抑制剤)があります。
 通常、薬による治療は鎮痛・抗炎症薬と抗リウマチ薬を併せて使用します。症状によってはステロイド薬や免疫抑制剤を追加します。
 鎮痛・抗炎症薬は2〜3週間で効き目を主治医が判断します。朝の痛みやこわばりが強い場合は就寝前使用します。薬を減らしたり止める場合もありますが、主治医の判断が必要です。自己判断は避けてください。
 抗リウマチ薬は効き目が現れるまで2〜3ケ月様子をみます。症状が一時的に軽快しても止めずに長期間にわたって使用することが大切です。
ステロイド薬は関節の腫れや痛みの原因となる炎症が強い場合や日常生活が障害される場合は少量を積極的に使用します。ステロイド薬を加える場合は鎮痛・抗炎症薬を減らす場合があります。
 免疫抑制剤の中には炎症を抑える作用もある薬があります。他の抗リウマチ薬に比べ効き目が現れるまで3〜4週と短く、速く効くのが特徴です。
 関節リウマチは慢性の病気です。薬の量や飲み方を守って治療を続けることがリウマチの進行を抑えます。薬を使用して湿疹や痒みや口内炎が出たり、熱がで て息が苦しくなったり、食欲がなくなり胃が痛くなったり、いつもと違う症状があればすぐに相談してください。また、定期的な診察と検査が病気を早く治すポ イントです。

(薬剤師 中川 義浩)

【関節リウマチの食事】

 慢性関節リウマチは消耗性の疾患です。体力の低下をきたさないようにたんばく質やビタミン、ミネラルなどに富んだ栄養バランスの良い食事を摂りましょう。
 肥満があると関節痛を増強するので太り気味の方は減量する必要があります。ご自分の体格にあったエネルギー摂取をこころがけましょう。また関節痛や関節破壊による運動不足、慢性関節リウマチの方によく利用されるステロイド剤の副作用などにより、肥満になり易い傾向にあります。料理には炎症症状の抑制効果のあるDHA・rリノレン酸のような多価不飽和脂肪酸の入ったサフラワー油や紅花油などを用いることが望ましいでしょう。ステロイド剤には、骨粗髭症になりやすいという副作用もあるので、カルシウム、ビタミンDをはじめとする各種ビタミン、鉄なども充分に摂ってください。また塩分の過剰摂取やインスタント食品・加工食品・清涼飲料水などによるリンの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害しますのでこれらのものは使用を控えましょう。
 なお、1日に必要なエネルギー量には個人差がありますので、あなたの必要量については主治医にお尋ねください。

(一日の食品別目安量1600kcalの場合)
 ご飯(毎食)150g ・果物150g ・肉60g ・魚白身一切80g ・卵1個50g
 豆腐100g ・牛乳200cc ・油10g ・野菜400g ・砂糖10g

(管理栄養士 南郷 有佳里)


診療の特色

<整形外科>

整形外科では、変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患のほか、骨折・脱臼などの外傷による疾患、ス ポーツ外傷・障害などを中心として幅広く診療を行なっています。最近では、高齢化社会を反映して、高齢者の転倒による脊椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折が増え ています。
当科では、多くの疾患の入院治療に際しクリティカルパス(詳細な診療計画表)を導入し、入院後の予定や、リハビリの進行度などが患者様にもわかるようになっています。
また、地域医療連携に積極的に取り組んでおり、転院される場合、患者様が安心して他の医療施設で継続した治療がお受けになられるよう医療連携用クリティカルパスも用いています。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック