【第52号】 やけどについて 皮膚科で使うお薬(外用薬) やけどと食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第52号】 やけどについて 皮膚科で使うお薬(外用薬) やけどと食事

【やけどについて】

 やけどを負ったらまず患部を流水または冷水で20〜30分冷やして下さい。受傷後24時間は冷却が有効と言われていますが、それ以降ではあまり意味があ りません。20〜30分冷却したらすぐに皮膚科にかかってください。ただし受傷面積が広く全身状態に影響がある場合や、煙等を吸い込んだ可能性がある時は 受傷後直ちに来院して下さい。高温の煙を吸った場合は気道熱傷をおこす危険性があり、呼吸困難に陥る事があるからです。
 また、やけどは、受傷面積と深さで治療法が異なり、それに加えて年齢が大きく関わってきます。受傷面積は広ければ広い程全身に影響を与えます。Ⅰ度とい われる深さのやけどが体表面積の30%以上であれば重症です。また年令では2歳末満と高齢の方ではとくに注意した管理が必要といえます。深さの基準は、患 部が赤くなっているだけの状態をⅡ度といいます。水泡ができていればⅡ度の浅い方といえます。このあたりまでは軟膏などの外用療法で改善し、痕もそれ程ひ どく残りませんがそれ以上深くなると痛みをあまり感じなくなり、外用のみでは治療が困難となる事があります。このように判断された場合は手術を行います。 手術は、やけどにより皮膚が腐ったところを取り除き、正常な部位から皮膚を採取し、欠損部に縫い付ける植皮術という方法が主流です。やけどにより皮膚が損 傷を受ける事により、脱水症状をおこし体がパンパンに腫れたり、受傷した皮膚が感染をおこしたりすることで、皮膚だけで無く全身状態に影響を及ぼしうるた め、できるだけ早い時期の手術が望まれます。これらの処置を適切に行う事で、救命にもつながり、機能障害を防いだり、醜い瘢痕を少しでも作らない様にする 事ができると考えます。
 何よりも重要な事はやけどを防ぐよう注意する事です。特に小さいお子さんや、お年寄りのいる御家庭では周りの方の配慮が必要となるでしょう。

(皮膚科医師 三角修子)

【皮膚科で使うお薬(外用薬)】

 治療の中心となる外用薬は基剤(白色ワセリンなど)と主薬(薬物)を配合したものが多く使用されます。患部が湿潤している時は軟膏タイプ、比較的乾燥している時はクリームタイプのものが使われます。
 お薬は症状、原因により使い分けをしますので、患部に感染がある時は抗生物質が含まれる外用剤、また痛み、熱など炎症がある時は消炎剤が含まれている外 用剤が使われます。アトピー性皮膚炎の治療では薬の強さの違うステロイド軟膏を段階的に使い分けがされます。

使い方 
 皮膚に外用剤を散布したり、すり込んだり、ガーゼに伸ばして貼ったりします。また2種類の外用剤を二層にして貼ることもあります。お薬を使うときは、手を清潔にし患部に塗りますが必要以上に多く塗っても効果は変わらないので医師の指示を守って下さい。

スキンケアと生活
 お薬は皮膚が本来持っている皮膚の改善能力を援助することであり、皮膚の病気を治療、予防するためにはスキンケアは大事です。そのためには、清潔を保つこと、乾燥を防ぐこと、紫外線からの保護などが最も大切なことになります。

(薬剤科長 白木 善孝)

【やけどと食事】

 やけどを負った場合、傷口より浸出液が出てくることにより体内のたんばく質、水分などが漏出し、重症の場合は脱水、低蛋白血症となることがあります。
 低蛋白血症は皮膚移植の不成功の原因になることもあるため、経口摂取が可能であれば食事でも補う必要があります。また、やけどの傷の治りを促進するとされるビタミン・ミネラルなども積極的に摂ることで感染症や機能障害などの予防に役立ちます。

  • 良質のたんばく質
  • 卵、牛乳、赤身肉、大豆製品、魚介類
  • 傷の創治癒を促進するビタミン
  • ビタミンA(レバー、緑黄色野菜) ビタミンBl(豚肉、かれい)
  • ビタミンC(果物、芋類、野菜)
  • ビタミンE(南瓜、アーモンド)
  • 傷の創治癒を促進するミネラル
  • 鉄(レバー、小松菜、ひじき)
  • 亜鉛(牛肉、穀類、貝類)

  これらのものを偏りなくかつその他の食材も取り入れることで、あらゆる栄養素を体内に取り込み治療に活かしましょう。

(管理栄養士 西久保百合子)


診療の特色

<皮膚科>

当科は一般皮膚科から皮膚に関わる膠原病、悪性腫瘍、皮膚外科、熱傷等の救急を要する皮膚疾患まで皮膚疾患全般を扱っており必要があれば入院加療も行っ ています。外来は初めての方も2回目以降の方も、月曜から金曜日までの午前中に診療を行っております。水曜日は担当の医師が、小手術や、皮膚の組織検査を 外来にて行います。また火曜と木曜の午後は手術室で手術を行っています。症例によっては日帰りや一泊入院で手術ができることもありますので、担当の医師と 相談してみて下さい。

診療時間 8:30〜17:00
(診療受付時間 8:30〜11:00)

ただし、急患はいつでも受診できます。

診療科目:総合医療センター(総合診療科、血液・膠原病内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、神経内科、呼吸器科)、心臓血管センター(循環器科、心臓血管外科)、消化器病センター(消化器科)、精神科、神経科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、感覚器センター(眼科、耳鼻咽喉科)、気管食道科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、救命救急センター、人間ドック、脳ドック