【第204号】子宮筋腫について、子宮筋腫の入院生活について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第204号】子宮筋腫について、子宮筋腫の入院生活について

くす通信

子宮筋腫について

子宮筋腫の入院生活について(開腹手術の場合)

 【子宮筋腫について】

 子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性の腫瘍です。



 発生、増大にエストロゲンという女性ホルモンが関与しており、生殖年齢女性の4人に1人位に発生するとされています。通常、エストロゲンによって大きくなり、閉経後には小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさは様々です(大きいものは10㎏以上になるものもあります)。発生場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)に大きく分けられます。


 症状は、下腹部のしこり、下腹痛、腰痛、尿が近い、月経量が多い、月経痛等があります。発生場所や大きさによって症状やその程度が異なります。


 診断は、大きな子宮筋腫は触診で診断できますが、一般的には超音波検査で診断できます。子宮筋腫の数や大きさ、場所を検査したい時はMRI検査が有用です。
 子宮筋腫は良性腫瘍ですが、大きな筋腫では約0.5%に悪性の子宮肉腫が含まれています。子宮肉腫と子宮筋腫を見分けることは難しく、大きさや年齢、大きくなるスピードを参考にしますが、実際は子宮を摘出して病理検査をしないとわかりません。

 治療法には、経過観察、薬物療法、手術療法があります。近年では、診断法の向上や社会状況の変化によって、大きさだけでなく年齢や症状、さらに患者様の希望等によって、治療方法を考えるようになってきました。
1. 経過観察:症状のない子宮筋腫や小さい子宮筋腫は積極的治療はしないで様子をみます。
2.薬物療法:エストロゲンを抑え閉経状態にする治療(偽閉経療法)を行います。
副作用として更年期様の症状が出たりするため1回の治療は大体 半年とされています。その他の治療法として経口避妊薬や子宮を栄養する血管を詰める治療法(子宮動脈塞栓術)もあります。
3.手術療法:子宮筋腫のみを摘出する子宮筋腫核出術と子宮そのものを摘出する子宮全摘術があります。症状の程度、年齢、妊娠や子宮を残す希望等を考慮し、術式を決めます。腹腔鏡を用いた手術を行っている施設もあります。

 婦人科は、受診するのに抵抗がある科のひとつだと思いますが、最近は女性の医師もたくさんいます。症状に心当たりのある方は、気軽に受診してください。

(産婦人科医長 山本 文子)

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 【子宮筋腫の入院生活について(開腹手術の場合)】

1.入院中の生活について


【手術前日に入院】
麻酔科医師の診察と、血液検査や入浴前には除毛とお臍の処置を行います。夕食は食べることができますが、それ以後食事はできません。19時以降に浣腸をします。浣腸以外に夕食後に下剤を飲む場合もあります。


【手術当日】

手術前 もう一度浣腸をし、午前中に点滴を開始します。決められた時間から水分を取ることはできません。手術室まではご家族と一緒に歩いて移動します。

手術 


術直後
ベッド上安静となりますが、寝返りをうったり、上半身を30 度位起こすことは可能です。点滴は24時間行います。痛みや吐き気がある場合はお薬を使って和らげていきます。手術室でおしっこの管と、背中に硬膜外麻酔という痛み止めの薬を入れるチューブが入ってきます。

【術後1日目】
食事や水分は取れませんが、おならが出て医師の許可がでたら水分のみ取る事が可能です。血圧などが安定していれば、座ったり立ったりする練習をします。吐き気などの症状や痛みが強くなければ歩く練習も行います。トイレまで歩く事ができればおしっこの管を抜きます。シャワー浴ができないため、温かいタオルで体をお拭きします。


【術後2日目以降】
手術の術式にもよりますが、手術翌日または2日目以降におならが確認できていれば食事を開始します。食事はお粥から開始し徐々に普通のご飯に変更します。

【術後3日目以降】
痛みが強くなければ背中の痛み止めのチューブを抜きます。傷の状態などによりますが、背中のチューブが抜けるとシャワー浴が可能になります。


【術後7日目以降】
術後の経過が順調であれば、自宅退院が可能になります。術後の抜糸はありません。


2.退院後の生活について

術後は、お腹に力が入りにくく、便秘になりやすいため、水分をしっかりとり、バランスのよい食生活、適度な運動を心がけてください。場合によっては整腸剤を使用しながら便通をよくしていきましょう。


体力が元に戻るまでに1~2ヶ月かかる事があります。この間は疲れやすかったり、体調を崩しやすい状態にありますので、家事等は休みながら行いましょう。また、仕事復帰の時期については、仕事内容にもよりますので医師と相談して決めましょう。


(6西病棟看護師 豊永紅音)


診療科の特色

<産婦人科>

 当科は、婦人科悪性腫瘍の診断と治療に重点を置き、科学的根拠に基づいた標準治療を実践しています。
 婦人科悪性腫瘍の新患治療数は近年増加傾向にあり、平成28年の治療実績では、子宮頚部上皮内癌91例、浸潤子宮頚癌67例、子宮体癌60例、卵巣癌39例で、婦人科入院症例の7~8割を占めていました。残りの2~3割は良性疾患、救急疾患等の症例でした。
 いずれの患者様に対しても、丁寧な説明と患者様及びご家族の意志を尊重した治療の選択を心がけています。
 救急、精神疾患合併、遠方の患者様にも随時対応しており、総合病院ならではの他診療科との緊密な連携のもと、安心して治療を受けて頂ける体制を整えています。


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