【第202号】「腸閉塞」について、「腸閉塞の入院生活」について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第202号】「腸閉塞」について、「腸閉塞の入院生活」について

くす通信

「腸閉塞」について、「腸閉塞の入院生活」について

 【「腸閉塞」について】  


・腸閉塞とはどんな病気なのか? 
 腸閉塞は「イレウス」とも呼ばれる病気です。通常、口から摂取した飲食物は、胃・小腸・大腸を通って便となって肛門から排泄されます。これらの食べ物や消化液の流れが小腸や大腸で滞った状態、すなわち腸に詰まった状態が腸閉塞です。おなかが張って痛くなり、吐き気を催し嘔吐したりします。腸閉塞は、吐き気・嘔吐を伴う腹痛が現れる最も代表的で一般的な病気です。

・腸閉塞の原因
 開腹手術後の癒着によって腸が物理的に圧迫されたりして腸が詰まる場合が最も一般的です。そのほか、脱腸(皮膚の下に腸が飛び出す)や、内ヘルニア(腸の膜の間などの見えないところに腸が飛び出す)と呼ばれるおなかのなかの様々なくぼみに腸がはまり込む病気でも腸が閉塞することがあります。腸自体が圧迫されたり、ねじれたりするだけでなく、腸に酸素や栄養分を送る血管がねじれ血流障害を起こしたものを「絞扼性腸閉塞」と呼びます。これは早期に手術を行わないと死に至ります。そのほか、大腸がんなどの腫瘍や、高齢者で便秘傾向の人では硬くなった便自体も腸閉塞の原因になります。

・腸閉塞の治療方法
 絞扼性腸閉塞や脱腸、内ヘルニアによる腸閉塞でなければ、ほとんどは手術以外の方法(保存的治療)で治ります。食事や飲水を中止し、胃腸を休め、十分な補液を行います。病状が進行して、腸の張りが強くなった場合は、鼻から胃や腸まで管を入れ、嘔吐のもととなる胃や腸の内容物を体の外に汲み上げます。腸の張りが少なくなれば、腸から吸収され快方に向かいます。
 手術が必要になるのは、腸の血管が圧迫されたりねじれたりする絞扼性腸閉塞や脱腸、内ヘルニアによる腸閉塞、保存的治療を1週間以上続けてもよくならない場合、何度も腸閉塞を繰り返す場合などです。


・腸閉塞(激しい腹痛、吐き気、嘔吐)に 気づいたらどうする?
 自然に治ることはないので、早めに病院を受診する必要があります。がまんして様子をみて、治療が遅くなると緊急手術などで腸を切る手術をしなければならないことも多いです。腹痛や吐き気・嘔吐などの症状が激しければ救急車を要請します。 おなかの手術後の癒着による腸閉塞では、体調がすぐれない時には、 食事内容を軟らかい消化のよいものにするなどの工夫は必要ですが、完全に予防する方法はありません。


(外科医師 藏重 淳二)

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 【「腸閉塞の入院生活」について】

1.手術以外の 保存的治療の場合 
【食事】
 胃腸を休める為、口から物を食べたり、水分を取ることができません。かわりに、24時間点滴をします。
 口を潤すためのうがいはできます。腸閉塞が改善したら、重湯などから食べられます。お腹の症状(腹痛、嘔吐等)が無ければ徐々に食事を3分粥→5分粥→全粥→軟飯→米飯の順に変更していきます。

 


【活動】
 入院中は、点滴をします。場合によっては鼻から胃や腸まで管が入りますが、点滴をしたまま、管を入れたままトイレに歩いたり、売店に行ったり散歩に行くことはできます。お腹の張りが減ってくれば、医師が診察し鼻から入っている管は抜けます。


【清潔】
 看護師が体を温かいタオルで拭きます。お腹の張りが改善してきたらシャワーに入ることができます。


2.手術での治療 の場合 
 手術になった場合、手術前の入院生活は保存的治療の時と変わりません。手術後の話をさせていただきます。

【術直後】
 ベッド上安静となります。水分や食事は取れません。24時間点滴をします。おしっこの管や鼻から胃にかけて管が入ってくることがあります。痛み止めを使って、痛みが和らぐように看護師は援助をします。

【術後翌日】
 医師の許可がでたら、おしっこの管や鼻から胃にかけて入っている管は抜けます。トイレ歩行が可能となります。水分や食事は医師の許可があれば開始となります。(腸を切っている場合は、水分や食事の開始時期は遅くなります)


【術後2日目以降】
 腸の動きを良くするために、病棟内を散歩します。食事ができるようになったら、点滴は終了になります。
 術後3日目以降、傷の経過によりますがシャワー浴可能になります。


 術後の経過がよければ、自宅退院可能になります。傷の抜糸などはありません。

3.退院後の生活 について 
 腸閉塞は様々な原因で腸の働きが悪くなっていることで生じていますので、腸の働きを改善するような生活を習慣にしたいものです。
 お通じが規則的にあることも大切です。毎日30分程度のウォーキングなどの運動や、消化の良い食べ物をよく噛んで食べ水分を良く摂ること、ストレスを溜めないことなどを心がけてください。

(6階東病棟 副看護師長 宮本 瑠美)


診療科の特色

<外科>

 外科では、主に消化器領域の癌(食道、胃、大腸、肝胆膵)や乳癌、一般外科の疾患(胆石症やヘルニアなど)の治療を行っております。また、24時間断らない救急医療を提供しており、多くの外科救急症例にも対応しております。

 ほとんどの疾患にクリティカルパス(診療予定表)を適応し、入院時に治療方針を提示しています。
 毎朝7時45分からカンファレンスにて前日の手術症例の検討と回診を行います。医師、看護師、薬剤師などが情報を共有しチーム医療を実践しています。
 また、手術では患者さんへの負担を軽減できるように、数多くの症例で腹腔鏡や胸腔鏡での手術を導入しています。


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