【第198号】「口腔カンジダ症」について、「摂食嚥下チーム」について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第198号】「口腔カンジダ症」について、「摂食嚥下チーム」について

くす通信

「口腔カンジダ症」について、「摂食嚥下チーム」について

 【「口腔カンジダ症」について】

 口の中には多くの細菌などの微生物が存在しています。口の常在菌の一つにカンジダ菌という真菌(カビ)があり、この菌は口の中で異常に増えることがあり、口腔カンジダ症を発症することがあります。症状としては口の中にぬぐい取れる白斑を認め、軽度の場合は無症状で経過します。悪化すると、潰瘍や赤みがでてきて粘膜や舌の痛み、味覚異常、口角炎などを引き起こします。また、口腔カンジダ症はその菌を含んだ唾液を誤嚥すると、誤嚥性肺炎を起こすことがあり、難治化することもあります。口腔カンジダ症の原因としては口腔清掃不良、抗菌薬や免疫抑制剤の長期投与、糖尿病、口腔乾燥、免疫機能の低下などがあります。

 歯科口腔外科では口腔カンジダ症が疑われるとき、必要があれば口腔内の細菌培養検査を行っています。 この検査は口の粘膜を綿棒でぬぐい取るだけですのでほとんど痛みを伴わずに短時間で終了します。治療法ですが、口腔カンジダ症は必ずしも薬物治療が必要なわけではありません。軽度であれば、ご自身の口腔ケアでそのほとんどが治癒します。悪化している場合は薬物療法を行います。薬物療法は抗真菌薬を数週間内服することで改善することが多いですが、その治療中も口腔ケアは欠かせません。口腔カンジダ症治癒後はかかりつけ歯科医院で定期的な専門的口腔ケアを受けるように指導しております。

 このように口腔カンジダ症は口腔ケアで治癒が見込めることから、予防がとても大切です。ご自身での口腔ケアや舌磨きに加えて、かかりつけ歯科医院での定期的なケアにより口腔環境を整えておくことで発症を予防することができます。義歯の清掃不良によっても起こりますので、義歯を装着している方は義歯洗浄剤を使用し、義歯もきれいにしておくことも大切です。また、口腔乾燥には保湿剤の使用も有効です。手術や化学療法、放射線治療予定の患者様は、術前から口腔管理を行うことによりその症状を軽くすることができます。

 最後に、難治性の口腔カンジダ症の中には口内炎の塗布薬が原因となっていることもしばしばあります。口腔カンジダ症が原因の口内炎に、口内炎の薬を塗布し続けると悪化することがあります。口内炎の薬を数日間塗布しても改善しないなど、治らない口内炎や舌の痛みがある場合はなるべく早く歯科医院を受診されてください。

(歯科医師 森 久美子)

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 【「摂食嚥下チーム」について】

 日本人の死因の内訳をみてみますと、第3位が肺炎で、特に高齢者の誤嚥性肺炎が多くを占めています。第5位の不慮の事故の原因のトップである窒息を合わせると、誤嚥性肺炎、窒息が上位にあることが分かります。これらは、嚥下障害により引き起こされることが分かっており、高齢になるほど死亡率も高まります。


 摂食嚥下障害とは、食べ物を口に入れて、のみ込む、食べるという一連の流れの中で、どこかに不都合が生じて、スムーズにできなくなることを言います。


 「口から食べること」は人間が誰しも保証されなければならない「権利」であり、楽しみでもあります。その権利を守る嚥下障害の治療は、一人の力では成立せず、チームアプローチが不可欠です。嚥下障害に対応するため、当院でも2011年に摂食嚥下チームが結成され、活動しています。


摂食嚥下チームとは?

 「口腔ケアの充実と、安全な経口摂取の支援を行うこと」を目的としたチームです。様々な職種が集まり、患者様の「食べる楽しみ」を喪失することなく、再び「食べる喜び」を取り戻すことができるように良好な機能を引き出し、摂食嚥下チーム一丸となって、活動しています。

活動毎週火曜日、16時45分~
チームメンバー歯科医師、摂食・嚥下障害看護認定看護師、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、管理栄養士
活動内容 口腔ケアの指導、食事の観察、嚥下評価、食事の種類・姿勢・食べ方・リハビリの検討を行い、スタッフやご家族へ指導を行っています。

食事場面での嚥下評価の様子

 2015年には、日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013に基づき、嚥下食が導入されました。摂食嚥下チームカンファレンス内でも嚥下食の検討や検食を行い、安全においしく食べて頂くために多職種で意見交換を行っています。


(摂食・嚥下障害看護認定看護師 田平 佳苗)


診療科の特色

<歯科、歯科口腔外科>


手術の様子

 当院の歯科口腔外科は日本口腔外科学会の準研修施設に認定されております。顎顔面領域の外傷、炎症、腫瘍、嚢胞など全身麻酔や静脈鎮静の手術を含めた治療を行っています。また、最近増加している全身疾患を持つ患者様の外科的治療を行っております。他科入院中の患者様には歯科治療や周術期の口腔機能管理、歯科衛生士による専門的な口腔ケア指導なども行っております。また、早期に経口摂取が開始できるよう他職種とも連携しながら摂食嚥下機能評価も行っております。


摂食嚥下機能評価


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