【第195号】「敗血症」について、「救命救急センター」紹介 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第195号】「敗血症」について、「救命救急センター」紹介

くす通信

「敗血症」について、「救命救急センター」紹介

救命救急センターより 【敗血症とは?】

 細菌やウイルス、真菌(カビ)などは、感染症を起こすと、通常はその場所(臓器)で悪さをします。例えば、肺炎の場合は肺で悪さをするので咳や痰が出ますし、扁桃炎の場合は扁桃腺で悪さをするのでのどの痛みが出ます。しかし感染症が重症化すると、感染した場所(臓器)を飛び越えて全身の色々な臓器に深刻な問題を起こすことになり、肺炎であっても腎臓や肝臓が悪くなることがあります。 このように 臓器障害を伴った重症な感染症のことを敗血症といいます。敗血症の死亡率は10%以上とされており、さらに敗血症性ショックといって血圧まで下がってくると、死亡率は40%を超えるとされています。 これは、日本人の死亡の原因としてよく知られる急性心筋梗塞や脳卒中よりも高く、世界的にも深刻な問題となっています。治療が遅れると多臓器不全に至り生命に関わってくることから、速やかな診断と治療が必要になります。


敗血症の診断について

 どこに感染症を起こしているか、CTやMRI、超音波検査などの画像検査や、血液検査、尿検査などの検体検査を行います。何らかの感染症が証明され、かつ臓器障害を伴っている場合に敗血症と診断することになります。効果的な治療を行うためにも、確実な診断が求められます。

敗血症の治療について

 多くの場合は重症対応が可能な救命救急センター病棟やICU(集中治療室)での治療が必要になります。臓器障害の対応をしつつ、強力な抗生物質による治療を行います。また、感染を起こしている場所に膿を溜めているような場合は、膿を排出させたり、場合によっては手術で取り除いたりする必要があります。治療期間が長引くことも多く、救命できたとしても体力の低下を来し、状態改善後にリハビリテーションが必要になることもあります。

敗血症にならないために

 感染症を疑うような発熱などがあり、受け答えが普段と比べて少しぼーっとしていたり、呼吸が荒くなったりしている場合は、敗血症を起こし始めているサインである可能性があります。特にご高齢の方、糖尿病をお持ちの方やステロイドを内服されている方など、感染症に対する免疫力が低下していると思われる方は無理をせずに早めに医療機関を受診するようにしてください。当院では時間外でも救急外来での対応が可能です。

(救命救急・集中治療部医長 ICU副責任医師 櫻井 聖大)

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 【「救命救急センター」について】

 熊本県の中核を担う救命救急センターで、1年365日24時間断らない医療をモットーにベット数50床(ICU 6床含む)を有し、災害発生時には2倍の患者さまを受入できるよう医療設備など整備しています。

スタッフ紹介

 平成29年4月から高橋毅を新院長に迎え、原田正公を救命救急センター長とし、 救急専従医師7名、兼任医師5名で、平日時間内の救急外来診療と365日体制でのヘリコプター救急医療、ならびに重症患者さまの入院診療を行っています。以下の通り、医療スタッフも大変充実していますので、安心して治療をうけることができます。



 平成28年1月1日付けで、県内初の「日本救急医学会指導医指定施設」に認定され大学病院並みの施設となりました。



 また、平成28年度の全国救命救急センター充実段階評価(厚生労働省が実施)では、総合評価で全国10位(九州で1位)でした。救急搬送自動車受け入れ数は、平成28年度1万台を超え、全国でもトップクラスの受け入れ数です。

 当院には、33の診療科があり、救命救急センターでは、全診療科の患者さまを受け入れております。特に精神科を有する県内唯一の救命救急センターであることから、精神科における身体合併症患者や現在社会問題の一つにもなっている自傷・自殺症例の患者さまを多数受け入れています。また、約半数が脳卒中や頭部外傷が主であり、市中肺炎及び誤嚥性肺炎や腹部外科など緊急手術を必要とする患者さまも受け入れています。

 日々の看護では多職種と連携し、患者さま、ご家族の立場に立った関わりを大切に看護を提供しています。急性期の状態がある程度落ち着きましたら、各診療科の一般病棟へ移動していただき、退院や転院までの治療を継続いたします。


(看護師長 沖田 典子)


診療科の特色

<救命救急センター>

救命救急・集中治療部
 救命救急センター外来 すべての救急患者さまの受け入れを断らないために、全診療科・職員が一丸となって救急医療に取り組んでいます。熊本地震の際にも病院を挙げて救急患者さまの受け入れを行って参りました。
救命救急センター病棟・ICU
様々な重症患者さまに対して充実した最新の医療を提供しています。
専門医数と認定施設について
日本救急医学会指導医3名、専門医7名、救急科指導医指定施設。日本集中治療医学会専門医3名、専門医研修施設。日本航空医療学会指導医2名、認定指定施設。日本蘇生学会指導医3名、等

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国立病院機構 熊本医療センター
診療時間 8:30〜17:00
診療受付時間 8:15〜11:00
休診日 土・日曜日および祝日

  急患はいつでも受け付けます。  

 診療科   

■総合医療センター 総合診療科、血液内科、腫瘍内科
  糖尿病・内分泌内科、呼吸器内科、腎臓内科
■消化器病センター 消化器内科
■心臓血管センター 循環器内科、心臓血管外科
■脳神経センター 脳神経外科、神経内科
■感覚器センター 眼科、耳鼻いんこう科、皮膚科
■画像診断・治療センター 放射線科
■救命救急センター 救急科
■精神神経科 ■小児科    ■外科     ■整形外科
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