【第189号】「不整脈」について、ホルター心電図について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第189号】「不整脈」について、ホルター心電図について

くす通信

「不整脈」について、ホルター心電図について

 【「不整脈」について】

 正常な心臓は1分間に約60~100回、一定のリズムで規則正しく動いています。これが異常に速く動いたり、遅く動いたり、不規則に動いたり、突然動かなくなったりすること等を全部まとめて不整脈といいます。
ほったらかしでもいい不整脈から、命に関わる不整脈まで様々です。ほったらかしでもいいことが多いのですが、治療が必要な不整脈もたくさんありますので、今回は治療が必要な不整脈を下記の3タイプにざっくりと分けて説明します。


 “洞不全症候群”や“房室ブロック”などがあります。本来私たちは体を動かしたときには心拍数が上がり、全身の筋肉に十分な血液が行き渡るようになっています。しかし心拍数が病的に遅いと十分な量の血液が筋肉に行き渡らず、動いたときに非常に疲れたり、息切れがひどくなります。更には脳に血液が行き渡らず、ふらふらしたり、ひどい場合には意識がなくなります。 基本的に心拍数を増やすお薬はなく、電気刺激を加えて心拍数を増やす『ペースメーカー』という、手のひら3分の1くらいの大きさの機械を体に植え込むことが多いです。


 “心房細動”や “発作性上室性頻拍”、“心室頻拍”など様々な種類があります。長く続くとドキドキがとまらなくなったり、心臓が疲れて動きが悪くなることもあります。心臓が速く動きすぎて、空回りして血圧が下がってふらふらしたり、ひどい場合には意識がなくなります。ドキドキするだけのときは、そのときだけ内服するお薬もありますし、不整脈が出ないように毎日定期的に内服することもあります。心臓の中に異常な電気の流れを起こすところがあるときは、そこを焼き切るような治療(アブレーション)をすることも出来ます。意識がなくなるほどの危険な不整脈には『植込み型除細動器』という、手のひらの3分の2くらいの大きさの機械を体に植え込むこともあります。

 “心房細動”が頻度も多くて有名です。心拍数が正常なこともあれば、速くなったり遅くなったりもします。それだけでなく、心臓の中に血の塊(血栓)ができることがあり、それが心臓から飛び出して脳に詰まると脳梗塞になります。お腹や足などにも詰まることもあり、血栓をできにくくするお薬が必要になります。
 不整脈は種類も治療も様々です。動悸やふらつきなどの症状がある時には循環器内科を受診するようにお願いします。


(循環器内科医長 松川将三)

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 【ホルター心電図について】

 心臓のリズムが乱れる「不整脈」の診断に心電図の検査は欠かせません。「不整脈」と一言で言っても、脈が遅くなるもの、脈が速くなるもの、不規則に動くものなど様々です。また、それが治療をおこなわなければならないものなのか、経過観察でよいものなのかは通常の心電図検査だけでは判断できないことがあります。このような「不整脈」を詳細に調べるのに最適な検査方法の1つにホルター心電図検査があります。今回は、このホルター心電図検査について説明したいと思います。

 手のひらにのる程度の小型機器を身につけて、日常生活において長時間の心電図を記録し、それを解析する検査です。短時間の心電図検査では診断がつかないような場合もこの検査で原因がわかることがあります。

 胸に電極を貼り付け、機器を携帯(腰に固定)して実際の心電図波形を記録します。機器を携帯したまま、日常生活を過ごしていただきます。
※ただし、防水ではないので、シャワー・入浴は厳禁です。
記録された心電図は内部のSDカードに保存されます。一緒にお渡しする記録用紙に日常行動をメモしていただきますが、何か症状が現れた場合には、症状が現れた時間やその持続時間、詳しい症状(ドキドキした、胸の締め付け感や不快感、息切れがした、めまいがした)などを記載していただきます。


 一般的には24時間の心電図を機器に記録します。その記録を解析することにより日常生活の中で不整脈が起きたり、心臓に血液が足らなくなったりするようなこと(心筋虚血)が起きているかどうか、また動悸、息切れ、めまいなどの症状が心臓に原因があるかどうかがわかります。また、ペースメーカーを挿入されている方のペースメーカー機能評価をすることもできます。

 記録用紙に記載いただいた日常行動と症状が現れた時間の記載をもとに24時間記録された心電図の確認を行い、実際に感じた症状が不整脈によるものなのかを解析します。

 また、実際に上記のような不整脈の記録があった場合には、それがどのような種類の不整脈なのかを解析します。症状がなくても24時間装着中に不整脈が出ていれば同様に解析を行います。解析結果を循環器の先生が診断し、診察の際に詳しくお話されます。日常生活の中で動悸や息切れ、めまい、胸痛などの症状がありましたら循環器の先生にご相談ください。


(主任臨床検査技師 佐々 智子)


診療科の特色

<循環器内科>

 藤本 和輝 部長、宮尾 雄治 医長、松川 将三 医長、松原 純一 医長、片山 哲治 医長、山田 敏寛 医師の6人で診療を行っています。平成21年9月の新病院に移転以降、CCUが新設され、医師が24時間常駐し、更に、平成23年6月15日からヘリポートが開設されました。スタッフも6人となり、より多くの患者さまを受け入れるようになりました。

認定機関
日本循環器学会研修施設
日本心血管インターベンション治療学会研修施設

診療実績(平成27年度)

入院患者775名
平均在院日数10.8日
経皮的冠動脈形成術197例
急性心筋梗塞167例
経皮的血管形成術14例
ペースメーカー植え込み術57例
埋め込み型除細動器植え込み術2例
埋め込み型除細動器付き両室ペースメーカー植え込み術5例


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