【第186号】認知症と核医学検査について、核医学検査を受けられる患者さまへ | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第186号】認知症と核医学検査について、核医学検査を受けられる患者さまへ

くす通信

認知症と核医学検査について、核医学検査を受けられる患者さまへ

 【認知症と核医学検査について】 放射線科より

核医学検査とは?
核医学検査SPECT装置
核医学検査SPECT装置

 核医学検査では非常に少量の放射線を放出する放射性医薬品を手や肘の静脈から注射し、特殊なカメラで体の中の様子を撮影します。検査用のベッドの上で静かに横になっていただき、多くは30分程度で終了しますので、患者様にとっては苦痛の少ない検査です。
 RI検査は核医学検査の別の言い方で、シンチグラフィ検査もほぼ同様ですが、“RI検査”や“核医学検査”はやや範囲の広い呼び方になります。シンチグラフィ検査は単に“シンチ”と略して呼ばれることが多いです。


放射性医薬品とは?

 普通の医薬品と異なり、放射線を放出して減衰していく放射性同位元素(RI:ラジオアイソトープ)を含む薬品で時間の経過とともに効力を失います。体内に投与された放射性医薬品は外部から見えない病気の場所や臓器の状態を、放射線という信号を出して知らせてくれます。この信号は臓器の形の変化にかかわらず、機能の異常を早期に知らせてくれます。投与された薬は一度目的の臓器や器官に集まりますが、薬の発する放射線の量は時間とともに減少し無くなってしまいます。これは薬が体から排泄されたり、RIそのものが減弱するからです。

認知症とシンチグラフィ検査
※イメージです

 脳血流シンチは脳の血流を評価する検査です。脳の血流は脳梗塞など脳血管の要因のみならず、アルツハイマー病などの脳の変性疾患でも低下することが知られており、認知症の早期発見や認知症のタイプの鑑別、進行度の評価などに用いられています。
 パーキンソン病やレビー小体型認知症などの自律神経障害を示す疾患ではMIBGが心臓に集まらなくなることが知られています。一方、アルツハイマー病では心臓の交感神経機能の変化はないので、MIBG心筋交感神経シンチを認知症の鑑別診断の参考にすることができます。
 ドパミントランスポーターシンチは脳内の黒質から線条体に向かう神経(ドパミン神経)に存在するドパミントランスポーター(DAT)を画像化し、ドパミン神経の変性・脱落の程度を評価する検査です。パーキンソン病・レビー小体型認知症ではDAT密度が低下していることが知られています。パーキンソン病は、これまで症状や身体診察を基本とした診断基準に基づき診断されていました。脳のMRI検査やCT検査には特徴的な異常はなく、他に病気がないことを確認するために画像検査が行われていましたが、DATシンチは、パーキンソン病・レビー小体型認知症の病状を直接あらわす初めての画像検査で客観的な指標となる可能性があります。


(放射線科医長 浅尾千秋)

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 【核医学検査を受けられる患者さまへ】 診療放射線技師より

核医学検査ではどうやって調べるのですか? 脳血流シンチ

 放射線を出すラジオアイソトープ(RI)で印をつけた脳に集まる性質のあるくすり(放射性医薬品)を静脈注射して、仰向けに寝てカメラで頭を30分間撮影します。待ち時間を含め45分程度で終了します。血流の多い部分は取り込みが高く、血流の少ない部分は取り込みが低く写ります。



MIBG心筋交感神経シンチ

 放射性医薬品を静脈注射して、20分待ち、仰向けに寝てカメラで心臓を5分間撮影します。3時間後にもまた5分間撮影します。心臓交感神経が少ないと取り込みが低く写ります。



検査の注意事項

 放射性医薬品を静脈注射し、脳に集まるまで3時間待ちます。それ以降、仰向けに寝て、特殊なカメラで頭を30分間撮影します。ドパミン神経が変性・脱落している部位は取り込みが低く写ります。



ドパミントランスポーターシンチ

  •  撮影中は、頭を動かさないで下さい。
  •  ヘアピンなど金属を外して下さい。
  •  検査に使うくすりは検査日当日しか使えないため検査予定に合わせて用意をします。直前のキャンセルは難しいため、確実に来られる日を予約して下さい。

放射線の影響はありませんか?

 放射線を出すくすりを使用しますが、ごく微量であり心配ありません。検査の際に受ける放射線の量は、検査により異なりますが、胃のX線検査とほぼ同じ程度です。また、体内の放射線は短時間のうちに、少なくなり排泄されてなくなります。

(主任診療放射線技師 高倉清悟)


診療科の特色

<画像診断・治療センター>


MRI装置3テスラ

CT装置128列MDCT
 画像診断・治療センター(放射線科)は画像診断専門医5名、治療専門医1名、放射線科専門医1名、専修医1名、放射線技師23名、受付2名で運営しています。日本放射線学会専門医修練機関に認定されています。
 マルチスライスCT 2台(128列、64列)、MRI装置2台(3テスラ、1.5テスラ)、核医学装置(ガンマカメラ)1台、血管撮影装置などの最新の医療機器を駆使した画像診断および画像ガイド下でカテーテルを用いた経皮的治療を行っています。
 検査による被曝は、日常生活で受ける自然放射線による被曝の数倍程度です。私たちは患者様に安心で信頼できる検査、治療を提供できるように日々心がけています。


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