【第181号】パーキンソン病について、「パーキンソン病」に使用される薬 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第181号】パーキンソン病について、「パーキンソン病」に使用される薬

くす通信

パーキンソン病について、「パーキンソン病」に使用される薬

 【パーキンソン病について】

 パーキンソン病とは、脳内(主に中脳から基底核)のドパミンという神経伝達物質を含んだ細胞が変性するために、ドパミンが不足して発症する病気です。そのほとんど(約95%)は、遺伝などとは無関係に発症し、一般的に言われている割合から考えると、人口約70万人の熊本市には約700人のパーキンソン病の方がいることになります。さらに50才以上では、100人に1人がパーキンソン病であるといわれています。発症年齢は、55〜65才がピークです。


 パーキンソン病に認められる運動症状、パーキンソニズムには、 振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害といった代表的な四大症候があります。

 振戦とは、手足が震えることですが、パーキンソン病では、力を抜いて安静な状態で震え、左右差があるのが特徴です。


 筋強剛とは、筋の緊張が冗進して上手く力が抜けない状態です。他動的に関節を動かすと抵抗を認めます。抵抗がカクカクッと間欠的なものを歯車様、一様なものを鉛管様と呼び、パーキンソン病の場合はほとんどが歯車様です。

 無動とは、体の動きが非常に遅くなることです。


 姿勢反射障害とは、バランスを崩したときにそれを立て直す反射が障害されることで、これにより転びやすくなります。

 また、それ以外にも歩行が前かがみで歩幅が狭くなったり、歩き出すと急に止まれなかったり等の症状が認められます。


 なお、これらパーキンソニズムは、パーキンソン病以外でも、薬剤の副作用などにより呈することがあるため注意が必要です。

 その他、最近では、便秘、嗅覚低下、睡眠障害、等の非運動症状も注目されており、多くのパーキンソン病症例において認められることが知られています。

 診断は、臨床症候及び経過が重要になりますが、最近ではMIBG心筋シンチグラフィなどの有用な検査(当院でも施行可能)も出てきております。


 治療としては、神経細胞の変性自体を抑える根本的な治療は現在のところ確立されておらず、基本的には内服等で不足したドパミンの作用を補う対症療法が主体です。また、内服薬の効果が不十分な場合は、脳深部の細胞を焼いたり電気刺激を与えたりすることで、ドパミンを含めたホルモンのバランスを整える手術を選択することもあります。

 パーキンソン病自体の進行は緩やかで、基本的には平均寿命を全うすることのできる病気です。適切な内服を確実に継続することによって、長く上手に付き合っていくことが非常に大切です。


(神経内科医長 田北 智裕)

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 【「パーキンソン病」に使用される薬】

 パーキンソン病は脳内の「ドパミン」という物質の不足と「アセチルコリン」という物質の相対的な増加によって発症する病気です。これらによって脳内の指令が上手く伝達されなくなり、振戦(手のふるえ)、無動(動作が鈍い)、筋強剛(筋肉が固くなる)、姿勢反射障害(体のバランスがとりにくくなる)などの症状が現れます。パーキンソン病の治療は現在のところ、不足したドパミンの作用を補う薬物療法が中心となります。また、薬物治療の効果が不十分な場合はドパミンを含めたホルモンのバランスを整える手術を選択する事もあります。

参考: 患者さん・ご家族のための Pakinson’s Disease パーキンソン病よろず相談所より、
「薬物療法 」の運動に関わる神経の連絡網の図を加工

 パーキンソン病の治療薬は大きく
①不足したドパミンの量を増やす薬
②増加したアセチルコリンの量を減らす薬の右記の2種類に分けられます。


 ・レボドパ製剤(メネシット、イーシー・ドパール等)
レボドパという成分が含まれており、脳内でドパミンに変化する作用があります。


 ・ドーパミン受容体刺激薬(レキップ等)
脳内にあるドパミンの働きを引き出す部分(受容体)を刺激することで、ドパミンの働きを補う作用があります。


 ・COMT阻害薬(コムタン)
体内でレボドパを分解するCOMTという酵素を抑え、レボドパを分解されにくくする作用があります。


 ・MAO-B阻害薬(エフピー)
脳内でドパミンを分解するMAOという酵素を抑え、ドパミンを分解されにくくする作用があります。


 ・アマンタジン類(シンメトレル)
脳内の神経細胞からドパミンの放出を促進する作用があります。


 ・抗コリン薬(アキネトン等)
増加したアセチルコリンを抑え、ドパミンとのバランスを調整する作用があります。


 これらの薬を服用することで治療を行いますが、薬の副作用を心配するあまり、薬を規則正しく飲まない患者さんもいらっしゃいます。副作用としては便秘や精神症状、眠気、吐き気等がありますが、自己判断での薬の中断は症状を悪化させてしまう可能性もあるため、気になる症状が出た場合は担当医等に相談してください。


(薬剤部 副薬剤部長 幸 邦憲)


診療科の特色

<神経内科>

 神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、骨格筋が障害される病気を診断・治療する診療科です。精神科や心療内科と混同しないようにしてください。もし運動障害(筋力低下、不随意運動、痙攣)、感覚障害(しびれなど)、歩行障害、頭痛、めまい、等ありましたら当科の受診をお勧めします。
 具体的な病気としては、最も多いのが、脳の血管が急に閉塞して顔・手足の麻舞や言語障害などを生じる脳梗塞で、当院は脳梗塞急性期におけるtPA静注療法の施設基準も満たしています。それ以外に、脳炎や髄膜炎などの中枢神経感染症、パーキンソン病、多発性硬化症、重症筋無力症、多発筋炎などの神経難病、その他、頭痛、てんかんなども診療しています。

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