【第178号】アナフィラキシー について、エピペン®について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第178号】アナフィラキシー について、エピペン®について

くす通信

アナフィラキシー について、エピペン®について

 【アナフィラキシー について】


特定原材料(表示義務)

 “アナフィラキシー”という言葉をご存知でしょうか? あまり聞きなれない言葉ですね。では、“アレルギー”は・・・? 「特定の物質(アレルゲン)に対して免疫が過敏反応を示し、じんま疹などの症状が出る・・・」と聞くとピンとくる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?エビ・カニアレルギー、卵アレルギーなど、食物アレルギーは日常生活の中でよく耳にしますね。



ラテックス
(ゴム手袋など)

 アナフィラキシーは、全身に現れる重篤なアレルギー症状です。食物のほか、抗生物質をはじめとする医薬品摂取、ヘビやスズメバチなどの動物・昆虫による刺咬傷、ラテックス(天然ゴム)への接触などにより惹起されます。アレルゲンが体内に進入すると、初期症状として、数秒〜30分以内にじんま疹や痒みなどの皮膚症状(約90%に出現)、動悸、冷や汗、胸を締め付けられる感じ、喉のつかえる感じ、息苦しさ、腹痛、嘔吐・下痢などの症状が出現します。進行すると、血圧が急激に下がったり、気道(空気の通り道)が塞がって息が出来なくなったり、意識不明になったりするなど、生命を脅かす危険な状態となり、これを“アナフィラキシーショック”と呼びます。

 アナフィラキシーの予防は、可能な限りアレルギーの原因物質を突き止め、それらとの接触を避けることですが、なかなかそうはいかないことも多く、アナフィラキシーを起こしてしまった場合は、症状の程度に応じて治療を行います。まず、吐き気・嘔吐や皮膚症状のみを認める軽症例では、アレルギーを抑える薬を注射するのみで軽快が得られる症例が大半です。しかし、軽症の場合でも重篤な症状へと移行する前段階である可能性もあるので、数時間は外来で経過を見ます。次に、アナフィラキシーショックをきたした重症例では、酸素投与、大量の点滴を開始するとともに、特効薬である“アドレナリン(エピネフリン)”を注射します。気道が高度に塞がると窒息の恐れがあるため、気管内にチューブを入れて気道を確保します(気管挿管)。その他、症状に応じて、適宜、薬剤を使用します。アナフィラキシーショックをきたした症例では、全例、救命救急センターへ入院し、2~3日間の経過観察を行います。

 アナフィラキシーを起こし、医療機関を受診するまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤として、アドレナリン(エピネフリン)自己注射用のキット“エピペン®”が発売されており、平成23年に保険適応となっております。詳細については、救急科医師もしくは薬剤師へご相談ください。

(救命救急科医師 狩野亘平)

(下部でエピペン®について薬剤部より説明します)

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 【エピペン®について】

 アナフィラキシ―が起こってしまったときに自分で使用することができる注射薬にエピペン®というものがあります。今回はこのエピペン®についてお話しします。


製品(エピペン®注射液)0.3mg

 アナフィラキシ―治療に効果のある薬剤としてアドレナリンがあります。しかし、このアドレナリンには飲み薬がなく注射でしか投与できません。通常、注射は持ち運びに不便であり、注射をできる人も限られています。エピペン®はこの注射薬の欠点を克服しアドレナリンを自分自身で注射できるようにした注射キットとなっています。

 アナフィラキシ―の重篤な症状として血圧の低下、息苦しさがあります。エピペン®を注射することでこの血圧低下と息苦しさを改善することができます。しかし、その効果は一時的ですので、時間が経つと再度アナフィラキシーの症状がでてきます。エピペン®使用後は必ず速やかに医療機関を受診しなければなりません。

 エピペン®を処方するには医師が研修を受けなければなりません。このため全ての医師が処方することはできず、どこの病院でもエピペン®を処方してもらえるわけではありません。エピペン®を常に置いている病院も少ないため事前に病院へ確認することをお勧めします。また、メーカーのホームページ(http://www.epipen.jp) で病院の検索もできますので参考にされてください。

 エピペン®は医師が必要と判断した方のみ処方することができます。希望する方全てには処方することはできません。

 使用する方は基本的にはトレーニングを受けた患者さん本人となります。しかし、小さなお子様などで適切にエピペン®を使用できない場合は、保護者や教職員、保育士が代わりに注射することができます。

 通常、大人の方が使用するエピペン®0.3mgは1本約12,000円となっています。以前はエピペン®は保険適応外でしたので全額自己負担となっていました。しかし、2011年9月からは保険適応となったため保険を使用することができます。

 メーカーのホームページ(http://www.epipen.jp) では上記の病院検索からエピペンの使用方法や保存方法などについて掲載しています。興味のある方はホームページをご覧ください。

(薬剤部 薬務主任 井上大奨)


診療科の特色

<救命救急センター>


 救急専従医師 8名、兼任医師 2名、非常勤医師 4名を中心に、時間内の救急外来診療、ヘリコプター救急医療、および、主に重症患者さまを対象とした入院治療を行っております。入院では、敗血症、重症肺炎、中毒、心肺停止蘇生後、多発性外傷などの重症患者さまから経過観察入院の患者さままで、取り扱う疾患は多岐にわたります。日本救急医学会認定救急科指導医・専門医、日本集中治療医学会専門医をはじめ、専門医の医師数も充実しています。


 「24時間365日、何時でも、何でも断らない救急」をスローガンに、全診療科、全職員で一丸となって救急医療に取り組んでおります。重症患者さまでは、当科で取り扱う疾患以外に、急性心筋梗塞、脳卒中、急性腹症など、全国でも指折りの救急搬入台数です。


 様々な診療科の緊急入院を幅広く受け入れています。病棟看護師数も充実し、最新の医療機材を十分に取り揃えて診療にあたっております。病状がある程度落ち着きましたら、各診療科の病棟へ移動し、退院や転院までの治療を継続いたします。

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