【第174号】「眼瞼下垂」について」について、「痛い!巻き爪、陥入爪の治療」 について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第174号】「眼瞼下垂」について」について、「痛い!巻き爪、陥入爪の治療」 について

くす通信

眼瞼下垂 について、痛い!巻き爪、陥入爪の治療

 【眼瞼下垂 (がんけんかすい)について】

 眼瞼下垂とは、上まぶたの皮膚がたるんだり、目を開ける力が弱くなり大きく目を開けることができない状態を指します。その原因は様々で治療方法も異なりますが、今回は①老人性眼瞼下垂皮膚弛緩症の2点について説明させていただきます。

 ①老人性眼瞼下垂と言うと響きは悪いですが、単純に加齢性の変化の一環となります。誰しも年を取り、筋力は衰えていきます。目を開けるのも筋肉の仕事です。その筋肉は上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)と言われ、収縮することで目を開けることができます。この筋肉が薄くなったり、たるんだり、変性したりして収縮する力が弱くなってしまうと、目を十分に開けることができず、瞳孔と言われる物を見る黒目が隠れてしまい、視野が狭くなります。

 ②皮膚弛緩症はその名の通り、上まぶたの皮膚がたるんでしまうことです。上眼瞼挙筋の力は正常に働いていても、皮膚がたるんでしまい視野を妨げる状態となります。


 ①老人性眼瞼下垂の主な治療は、眼瞼挙筋短縮術という手術になります。原因となっている上眼瞼挙筋を短縮して再固定します。通常は睫毛の上(二重まぶたのライン)を目の幅ほど切開することになりますが、術後の傷跡はほとんど目立ちません。手術歴のある方や、症状の強い方には筋膜移植術を行うことがあります。太ももを4~5cm程切開して必要な分だけ筋膜を採取します(通常は3cm×2cm程)。筋膜を眼瞼挙筋の代わりに移植しますが、その際に眉毛の上を1cm程切開して筋膜を固定します。



 ②皮膚弛緩症の主な治療は、単純に余っている上まぶたの皮膚を切除する方法になります。術後の傷跡を目立たなくするために、皮膚の皺に合わせて切開線を入れます。しかし、視野を妨げる程たるんでいる皮膚ですので、かなりの量を切除することになります。

 ①②以外にも、眼瞼下垂を呈する疾患は多数あります。原因次第で手術術式を選択する事になりますが、保険診療(国民健康保険等)で施行することができます。ひとつ注意していただきたいことは、美容目的ではありませんので「仕上がりをパッチリ二重にして欲しい」と言った要望には添うことができませんし、多少の左右差は生じるということです。眼瞼下垂で悩まれている方がいらっしゃいましたら、気軽に当科外来(月木金の午後13時~17時)を受診されてください。

(形成外科医長 束野哲志)

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 【痛い!巻き爪、陥入爪(かんにゅうそう)の治療】

「巻き爪は何科で治療するのですか?」
A. 形成外科です


 巻き爪(爪の両端が湾曲した状態)の方は意外に多く、10人に1人以上と言われています。軽度の湾曲であれば症状が無く、自身でも気付かないことが多いようです。湾曲が強くなったり、爪の先端の角が食い込んだりし始めると痛みが出てきます(この状態を陥入爪と呼びます)。ひどくなると化膿し、不良肉芽の増生を来すこともあります。

 当科では、巻き爪、陥入爪の治療方法として、主に手術療法またはワイヤー療法(矯正療法)を施行しています。手術療法では、湾曲している爪を根本まで切除して薬液で処理することで生えてこなくします(爪の幅は小さくなります)。術後1~2週で歩行時の疼痛も落ち着きます。ワイヤー療法では、爪の先端または根本にワイヤーをかけ、爪を矯正します。先端にワイヤーをかける方法(マチワイヤー)は、ある程度爪が伸びていないと出来ませんが、根元にかける方法(3TO)は、ほとんどすべての爪に施行出来ます。(化膿している爪や、不良肉芽を伴っている爪にもかけられます)。



(形成外科医長 束野哲志)


診療科の特色

<形成外科>

 形成外科と聞くと「美容」をイメージしがちですが、当科では体表のあらゆる形態異常、外傷またそれに伴う機能異常を手術治療、創傷治療によって修復、改善する事を主体としております。
 当院には3人の医師が在籍しており、月曜、木曜、金曜の午後に外来診療、火曜と水曜は手術日とさせていただいています。日帰り手術等は外来診療日に行うことも可能です。
 熊本県内では数少ない形成外科認定施設であり、ケロイドに対する放射線治療や巻き爪に対するワイヤー治療など特殊な診療も行っています。何か相談事がありましたらお気軽に形成外科外来を受診されてください。


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