【第171号】変形性股関節症について、 「変形性股関節症」手術後のリハビリテーションについて | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第171号】変形性股関節症について、 「変形性股関節症」手術後のリハビリテーションについて

くす通信

変形性股関節症について、 「変形性股関節症」手術後のリハビリテーションについて

 【変形性股関節症について】

 変形性股関節症とは股関節の軟骨がすり減って、股関節の変形をきたす疾患です。

特徴
  • 女性に多いですが、最近では男性にも増えています。
  • 高齢者はもちろん、10代後半から症状を訴える場合もあります。
原因
  • 日本では寛骨臼の形成不全(臼蓋形成不全)から生じるものがほとんどです。
  • 最近では大腿骨と寛骨臼が衝突することでも、変形が生じてくる事がわかってきました。

症状
  • 股関節の痛みを認め、動きが悪くなります。
  • 最終的には歩行困難となります。
診断
  • 股関節の痛みを誘発させる肢位(股関節屈曲・内旋、または足を4の字に組む)での疼痛を確認します。
  • レントゲン検査
治療
  • 保存療法:体重コントロール、長距離歩行の禁止、筋力トレーニング、痛み止め、湿布などで経過をみます。
  • 手術療法
    ●変形が強い場合:人工股関節置換術を行います。
    ●変形が強くない場合:50歳くらいまでで、寛骨臼の形成不全などあれば、寛骨臼や大腿骨の骨切り術を行います。
ポイント
  • 人工関節置換術の耐久年数は15~20年と言われていますので、50歳までに人工股関節置換術を行うと、人工股関節『再』もしくは『再々』置換術にまで至る可能性があります。
  • 変形が強くなる前であれば、関節を温存する骨切り術等で対応出来る場合もありますので、そういった病態を早期に診断することが重要です。

【寛骨臼回転骨切り術 -Curved Periacetabular Osteotomy-】

  • 術創が10cmと小さい。
  • 手術時間が1~2時間と短かい。
  • 筋肉をほとんど傷つけないため、痛みが少なく、筋力の回復が早い。
  • 早期に歩行可能となる(全荷重歩行が術後8週から可能)。

【人工股関節置換術-完全筋腱温存前方進入手術-】

  • 術創が10cmと小さい。
  • 筋肉を傷つけないため、痛みが少なく、筋力の回復が早い。
  • 脱臼しにくい。
  • 早期に歩行可能となる。

【股関節外来】担当医 平井奉博
 月曜日の午前と、水曜日の午後に外来での診察を行っておりますので、股関節の痛みでお悩みの方は是非一度ご相談ください。

(整形外科医長 平井奉博)

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 【「変形性股関節症」手術後のリハビリテーションについて】

【寛骨臼回転骨切り術後のリハビリテーション】

  • 骨切り術の場合は、切断面の骨同士が癒合するのを待つ必要があります。骨癒合を待っている間は、股関節に少しずつ負荷をかけてリハビリを行っていくことが重要になります。
  • 全荷重歩行の目安は術後8週からとなっています。
  • 手術後翌日より座位練習、車椅子離床練習を行います。
  • 歩く練習は平行棒の中から開始します。最初は体重をあまりかけずに歩く練習を行います(例:10kg荷重や体重の1/4荷重など)。理学療法士と一緒に練習を行います。松葉杖や1本杖を利用しながら、医師の指示の下、少しずつ荷重量を増やし歩行獲得を目指します。

【人工股関節置換術後のリハビリテーション】

  • 手術後の荷重制限はありません。
  • 手術後翌日より座位練習、車椅子離床練習を行います。
  • 可能な限り早期からの歩行練習を開始しています。平行棒内歩行⇒歩行器歩行⇒杖歩行(⇒独歩)と進めていくことが多いです。

  • 完全筋腱温存前方進入手術が行われています。後方進入では脱臼のリスクがありますが、当院の方法では脱臼に対する制限の必要はなく普段通りの生活が可能となります。
  • 患者様の入院前生活状況や年齢などにも関係しますが、早期に歩行可能となりますので手術後2~3週で自宅退院が可能になります。退院後の不安が強い場合や継続したリハビリ加療をご希望される場合には、回復期リハビリ病院などへの転院も可能です。

(主任理学療法士 渡邉靖晃)



診療科の特色

<整形外科>

 当院の整形外科は7名で、各専門分野のスペシャリストが揃っており、日々診療を行っております。

・橋本伸朗:脊椎外科、関節リウマチ
・福元哲也:関節外科(膝、股)、外傷外科
・前田智:関節外科(肩、股)、外傷外科
・中馬東彦:関節外科(膝、股)、外傷外科
・平井奉博:関節外科(股)、関節リウマチ
・松下任彦:外傷外科
・浦田泰弘:外傷外科

【特徴】
・手術数は年間1000例を超えています。
・当院では全診療科が揃っていますので、合併症をお持ちの方でも、各科と連携して安全に治療を行うことができます。
○歩行で増悪する下肢のしびれ:脊椎外科
○膝痛・肩痛・股関節痛: 関節外科
○手指のこわり・腫脹:関節リウマチ
などの症状ある方は是非一度ご相談ください。

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