【第147号】閉塞性動脈硬化症について、 血圧脈波硬化症について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第147号】閉塞性動脈硬化症について、 血圧脈波硬化症について

くす通信

閉塞性動脈硬化症について、 血圧脈波硬化症について

 【閉塞性動脈硬化症について】

 動脈硬化は、まずは、いろいろな場所に現れますが、閉塞性動脈硬化症は、手や足の血管に動脈硬化が現れる病気です。閉塞性動脈硬化症が進行すると、血管の内部が狭くなり、さらにひどくなると血管をふさぎ、血液の流れが悪くなります。
 動脈硬化の悪化に伴い、足の冷感、しびれを自覚するようになり、さらに歩くと足が痛くなり、休むと楽になるようになります。もっと悪化しますとじっとしていても痛くなり、潰瘍、壊疽を認めるようになります。潰瘍、壊疽まで悪くなりますと足を切断しなくてはならないこともあります。

 診断は、触診(動脈拍動を触れる)、ABI(足の血圧/手の血圧)の測定、血管エコー、各種血管造影の結果を総合して行います。

 治療は、薬物療法と血行再建術が行われます。

治療1.薬物療法

 血をサラサラにする薬を使いながら、動脈硬化の危険因子(高血圧症、糖尿病、脂質異常症)の治療を行います。

治療2.血行再建術

 動脈硬化に対して風船で拡張する経皮的形成術を施行することが多くなりました。多くの症例でステントを挿入します。また、外科的血行再建術(バイパス術)を行うこともあります。更に、重症例では、血管新生療法を行うことがあります。

 症例を提示します。
 70歳代男性で、急激に右臀部~下肢全体の歩行時疼痛が出現するようになり、閉塞性動脈硬化症疑いで紹介となりました。ABI:右=0.42、左=1.0と右が非常に低下していました。既往に、陳旧性心筋梗塞、高血圧症、糖尿病、脂質異常症を合併していました。

下肢動脈造影を行いましたら、右総腸骨動脈起始部で完全に閉塞していました(図1)。
風船で拡張し、ステントを挿入し(図2)、血行再建ができました(図3)。

図1
図1
図2
図2
図3
図3

 手術後、ABI:右=0.42→0.96と改善し、歩行時疼痛が消失しました。その後、症状の悪化を認めず経過良好でした。

(循環器内科部長 藤本 和輝)

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 【血圧脈波検査について】

cavi

 心臓が収縮して、血液がドクンと出たときの衝撃が波になって、指先などの末梢に伝わります。この波を脈波といい、動脈が硬くなっていると早く伝わります。この脈波速度を測定し、血圧の影響を除外して求められるのがCAVIです。

cavi

abi

 足関節の血圧を上腕の血圧で割った値です。

abi

Fontaine分類

 …下肢の慢性動脈閉塞を症状から病期分類したものです。
 以下の症状がある場合は要注意!!

Fontaine分類

下肢動脈エコー

 視診、触診、ABIなどで異常が見られた例に実施し、狭窄の存在部位の確認・病変の評価をします。
 観察できる部位は、腹部大動脈から腸骨、大腿から膝下の動脈群まで評価ができます。

検査方法

 下肢動脈の検査は、仰臥位で行います。
 鼠径部(足の付け根)~足の甲までゼリーをつけて見ていきます。
 観察項目は、血管径、病変の状態、病変の狭窄部位・狭窄率、血流波形を評価していきます。
 流速波形を見ていくことにより、半定量的に正常、軽度狭窄、中等度狭窄、高度狭窄と評価できます。

カラードプラ像
カラードプラ像

今、動脈硬化の患者さんが増えています
動脈硬化

動脈硬化はあまり自覚症状がありません。しかし、放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞など命に関わる疾患の原因となります。


定期検査を受けて、動脈硬化の早期発見と治療に努めましょう

(臨床検査技師 小村 綾)


診療科の特色

<循環器内科>

 平成24年4月から平田医師に代わり、新しく石井正将医師を迎え、藤本和輝部長、宮尾雄治医長、古賀英信医長、本多剛医長の5人で診療を行っています。
 平成22年9月の新病院に移転以降、CCUが新設され、医師が24時間常駐し、より多くの重症患者を受け入れる事が可能となりました。また、冠動脈CT検査を施行できるようになりました。以前は入院しカテーテル検査を行っていましたが、入院せずに外来で冠動脈の検査を行えるようになりました。更に、平成23年6月15日からヘリポートが開設され、天候や昼間のみと一部制約はありますが、遠方の患者様でも、より早期の対応が可能となりました。 。
認定機関

 日本循環器学会研修施設、日本心血管インターベンション治療学会研修施設

症例数

 経皮的冠動脈形成術:249例
 急性心筋梗塞:124例、血管新生療法:5例  等


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