【第126号】緑内障について 緑内障治療薬について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第126号】緑内障について 緑内障治療薬について

* 緑内障について * 緑内障治療薬について

 【緑内障について】

 「緑内障」は眼圧(目の硬さのことです)が高くなり眼と頭をつないでいる神経(視神経)が弱くなって視野(見える範囲)が狭くなる病気です。

 以前は「あおそこひ」と呼ばれていました。患者さんに「あおそこひ」ですと告げると悲しそうな顔をして「いつ失明しますか」と聞かれることが何度もありました。

 たしかに、昔は緑内障で失明とういうことが多かったようですが最近は新しい治療薬が開発され、手術法も進歩しています。また、検診などで軽症のうちに見つかることが多くなり失明に至ることは比較的まれになっています。

 緑内障には痛みなどの症状が強くて急に進むタイプ(急性緑内障)と自覚症状がなくてゆっくり進行するタイプ(慢性緑内障)があります。



  「急性緑内障」緑内障発作ともいいます)は目の中の水(房水といいます)の流れ出口がふさがることによって目が急に硬くなる病気です。急性緑内障になると目がとても痛くなり、痛いほうの目がぼんやりとかすんで見えます。はげしい頭痛をおこしたり吐いたりすることもありますので目の病気と気付かないこともあります。急性緑内障は遠くがよく見えていた人で女性に多く見られます。


緑内障発作を生じた眼の写真

結膜の充血、散瞳(瞳が大きくなる)をみとめ、視力低下と眼痛・頭痛の自覚がある。





 発症して早い時期に治療を行うことができれば、元の状態に近い視力まで回復します。しかし、治療がおくれると失明したり慢性的な緑内障に移行したりすることがあります。親や兄弟に「緑内障の発作」で治療を受けたことがある人や時々片方の目が痛くなりかすんで見えるなどの症状がある人は一度眼科で検査を受けてください。急性緑内障の危険が高い場合は予防のための治療を勧められることがあります。予防治療には「レーザー虹彩切開術」と「白内障手術」があります、病気の状態によって治療法が異なりますので眼科医の話をよく聞いて判断していただくことが大切と思います。



 一方、「慢性緑内障」は何十年もかけてゆっくりと視野が狭くなりますので、とても悪くなるまで気づかないことがあります。暗い所で物が見えにくい、物にぶつかりやすいなどの自覚症状がある方は眼科を受診してください。緑内障で視野が狭くなってしまうとその後の治療を頑張ってもよくなることはありません、早期発見が大切です。


 人間ドックなどの検診を受ける場合は眼科医の診察や眼底カメラでの眼底検査が含まれているものを選んでいただければ安心です。

(眼科医長 青木 浩則)



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 【緑内障治療薬について】

緑内障の薬物療法

 眼球の中には房水と呼ばれる水が流れており、角膜や水晶体に栄養を与えています。また、眼球は房水の圧力により球形に保たれています。房水は、眼の毛様体という部位で作られ水晶体と毛様体の間から眼の前方に流れ出して、その後シュレム管やぶどう膜といった経路から周辺の血管に吸収・排出されます。緑内障で眼圧が高くなるのはこの房水が溜まってくるからです。

 緑内障には、房水の出口が急にふさがる急性緑内障と、房水の生産と排水のバランスがくずれて眼圧が高くなる慢性緑内障があります。そのため緑内障治療薬は、房水の生産を抑制する薬と、房水の排出を促進させる薬の大きく2種類に分けられます。



1. 「房水の生産を抑制する薬」

 β遮断薬(チモプトール®点眼、チモプトールXE®点眼)や炭酸脱水酵素阻害薬(トルソプト®点眼)といった薬は、毛様体での房水の生成を抑制します。お薬を使用していただく上での注意点として、β遮断薬は眼局所での副作用は少ないお薬ですが、ごく稀に喘息様の症状や血圧が下がるなどの全身症状が生じる可能性があります。気管支喘息や心不全の既往をお持ちの方は医師、薬剤師にお申し出ください。



2. 「房水の排出を促進させる薬」

 房水の排泄を促進させるためには、副交感神経興奮薬(サンピロ®点眼)やプロスタグランジン製剤(キサラタン®点眼)を使用します。副交感神経興奮薬も気管支喘息をお持ちの場合は使用する際に注意が必要です。また、プロスタグランジン製剤は、全身への副作用は少ないとされていますが、眼局所での副作用として、充血や虹彩色素沈着があらわれることがあります。症状は、薬を中止することで消えますが、点眼した眼と他の眼で色調に差が生じる可能性がありますので、気がついた場合は医師に相談してください。



 緑内障の治療では、これらの薬剤を単独もしくは併用して治療していきます。点眼薬を2種類以上併用する場合、点眼を行う時間の間隔が短いと、後に点眼した薬により前に点眼した薬が洗い流される可能性があります。また、油の性質をもった点眼液などの場合も点眼の間隔が短いと十分な効果が現れません。このような理由で、2剤の点眼の使用間隔を5分程度あけてから点眼するようにしてください。




 その他、お薬をご使用いただく上での注意点、副作用をはじめ、ご不明な点などありましたら、医師や薬剤師にご相談下さい。

(薬剤師 永野 真久)



診療科の特色

<眼科>

 感覚器センターの一部として皮膚科や耳鼻咽喉科をはじめ他の診療科と協力しながら診断および治療を行っています。

 診療内容は結膜炎・近視等の屈折異常・白内障などよく見られる眼の疾患の診療に加えて、緑内障、角膜感染症、網膜硝子体疾患、斜視・弱視の診療を行っております。検査治療機器としては、網膜症に対しての色素レーザー装置やYAGレーザー装置、自動視野計などがあります。手術機器では超音波白内障手術装置、硝子体手術装置、眼内レーザー装置などを有しております。





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