【第125号】 かくれ脳出血 MRI検査について | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第125号】 かくれ脳出血 MRI検査について

 【かくれ脳出血について】

 言語障害や半身不随を生じる原因として、脳の中の血管が切れる脳出血と血管がつまる脳梗塞があります。

 知らず知らずのうち発生した小さな脳梗塞、“かくれ脳梗塞”という言葉をご存知の方は多いと思いますが、将来の大きな脳梗塞を引き起こす引き金とも言われます。しかし、“かくれ脳出血”と言う言葉は、まだ一般の方には全く知られておらず、最近、やっと脳神経を専門とする医師に認知され始めました。“かくれ脳出血”は、“かくれ脳梗塞”と同様に、言語障害や半身不随を生じる将来の大きな脳出血の前兆とも言われ、現在、大変注目されていますのでご紹介致します。

  

 “かくれ脳出血”はMRI撮影のなかで、ある特殊な撮影方法でのみ診断可能です。MRIの一般撮影では発見できず、勿論、CT撮影では診断は不可能です。症状を出す脳出血は、通常で直径数センチ以上のサイズですが、“かくれ脳出血”の大きさは、直径約5ミリ前後と非常に小さく、それ故に症状を出すことはありません。“かくれ脳出血”は、毛細血管に近い小さな血管が切れて出血しますので自然に止血し小さいままです。出血量そのものは極めて少量ですので、“かくれ脳出血”自体は恐れるに足りません。しかし、重要なことは、“かくれ脳出血”は、言わば、脳血管のもろさのバロメータを意味します。つまり、“かくれ脳出血”をもつ人は血管がもろくなっているので、将来大きな脳出血を生じる可能性が高いと言う訳です。この点は、脳卒中医療、予防を考える上で大変重要です。私どもの研究では、“かくれ脳出血”の有る人は、無い人(血管がもろくない人)と比べて脳卒中を生じる可能性が約25倍ほど高くなります。

 “かくれ脳出血”は、健常者、特に50歳以下では5%以下と希ですが、高齢者や脳出血を起こした方では50%以上と極めて高頻度に発見されます。また、高血圧・糖尿病などは“かくれ脳出血”を増加します。

 “かくれ脳出血”の意義については、まだ十分にはわかっていませんが、脳卒中予防を考える上で、大変重要であろうと思われます。脳出血を予防するためには、特に、高血圧や糖尿病の治療がとても重要ですので、治療を怠らないようご注意ください。

(脳神経外科医長 大塚 忠弘)



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 【MRI検査について】

 MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略で磁気共鳴画像を意味します。ベッドに仰向けに寝た状態で大きなトンネルの中に入ります。強い磁気と電波を利用することで、体内の様子を任意の断面画像として表示する検査です。X線撮影やCT検査のようにX線を使用せず、放射線による被ばくの心配がありません。

 検査時間は約20〜30分です。検査部位がずれないように固定し、トンネル型の磁石に入ります。検査中は大きな音がします。音楽を聴きながらリラックスして検査を受けていただきます。

頭部MRI検査

 当施設ではT1強調画像、T2強調画像、FLAIR画像、拡散強調画像(DWI)、T2*強調画像(T2スター)、頭部血管像(MRA)の5種類の撮像方法を行っています。

注意事項

 MRI検査を受けることができない方もいます。
心臓ペースメーカーなどの精密機械や磁気に反応する金属が体内にある場合。
妊娠中および妊娠の可能性がある方も検査を受けられない場合があります。
閉所恐怖症や、我慢ができず動いてしまう場合や小さなお子さん。

検査時に持ち込めない物

 次の物は、故障したり、画像に影響したりします。
検査前に必ず外して下さい。
1.金属類
  時計・眼鏡・補聴器・鍵・ヘアピン
  ネックレス・ピアス・取り外し可能な入れ歯

2.磁気カード
  キャッシュカード・クレジットカード・定期券

3.その他
  かつら・コルセット・湿布・エレキバン・カイロ

(放射線科 市川 和幸)


診療科の特色

<脳神経外科>

 脳の病気に対し、主として薬物治療を行うのが神経内科医であり、私ども脳神経外科医は手術治療を専門とします。当院では、良性や悪性の脳腫瘍の摘出術、くも膜下出血やその他の血腫に対する手術、脳梗塞予防のための血管バイパス手術、顔面の痙攣や頑固な痛みを改善するための手術など幅広く手がけています。手術顕微鏡やその他の手術支援装置の著しい発達により治療成績はグンと良くなっていますので、これまで通りの社会生活に完全復帰できる方も多いのです。「脳」の手術に対する大きな不安は無理もありませんが、今や過度のご心配はご無用です。



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