【254号(2018.8)】
当院では、多くの専門看護師や認定看護師が現場で活躍しています。その専門性を発揮し、看護師の教育、指導、的確な患者ケア、チーム医療など、その分野の看護の質の向上に貢献しています。
リソースナースとしての活動の一例をご紹介します。
診療看護師
診療看護師(JNP)は、国立病院機構で使用している呼称で「特定の医行為を実施することができる看護職」です。臨床看護経験で培った基盤を元に病態や治療経過等の評価を行い、医師や他職種と連携を図りながら、患者様のQOL向上に必要とされる介入を、総合的、継続的にフォローをしていく看護職です。研修2年目で医学的知識、技術の習得に重きをおいていますが、看護の視点・思考をもったケアの時間も大切であると考えています。今後は、俯瞰した視点・視野を持ち、患者様やご家族へきめ細かいタイムリーなケアを行うためのつなぎ役として、またチーム医療の一員としてフットワーク軽く活動しています。
がん看護専門看護師
がん医療技術や治療が進歩した一方で、患者さんとそのご家族は、治療による副作用や生活への影響、不安や治療の選択、療養の場の決定などさまざまな課題を抱えながら生活しておられます。課題に直面する患者さん、ご家族が安心して医療を受けながら生活出来るよう、がん専門看護師をはじめとするスペシャリストが活動しています。スタッフの相談やチーム医療が効果的に実践できるように多職種と協働しています。
精神看護専門看護師
平成29年度より精神科リエゾンチームを立ち上げました。リエゾン(Liaison)とは「つなぎ」「橋渡し」の意味で、リエゾン精神看護とは、精神看護の知識と技術を用いて「身体(からだ)とこころをつなぐ」ことにより、身体疾患をもつ患者さんが抱える精神的な問題や課題に対応していく看護領域です。リエゾンナースは精神看護の視点から患者さんや家族への理解を深め、ケアを実践することで、ストレス等を抱えた身体性疾患を持つ患者さん、危機的状況にある患者さん家族と看護師(医療者)間の関係構築をサポートする役割を担う看護師です。
がん性疼痛看護認定看護師
がん患者さまの診断や治療時期から終末期まで、がん性疼痛を有する患者さまに対して全人的な視点でアセスメントを行います。苦痛を取り除くことで、QOLを高め、多くの患者さま、ご家族の「痛み」が和らぐようなサポートに努めています。
がん放射線療法看護認定看護師
がん放射線療法のメリットは、機能温存が可能であり、QOL向上にも繋がることです。多職種が関わるがん放射線療法におけるチーム医療の一員として役割を果たし、放射線療法の原理を理解した上で治療を安全に完遂出来る様、支援しています。
がん化学療法看護認定看護師
安全・確実な抗がん剤の投与管理や、多様な副作用による苦痛や問題を化かけている患者さまやご家族に対して、治療に納得して向き合うことができるように意志決定を支援したり、症状改善のためのケアを行っています。
認知症看護認定看護師
認知症の状態像を総合的にアセスメントし、各期に応じたケアの実践、体制作りに努めています。認知症の行動心理症状を予防・緩和し、安心かつ安全な療養環境を提供できるよう多職種と連携を図っています。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
急性期の脳卒中のリハビリテーション看護の役割は、重篤化回避と合併症予防、リハビリテーションのための身体作りを行うことです。障害を抱えた患者さまやご家族の理解者となり、生活の再構築に向けた看護に取り組んでいます・
摂食・嚥下障害看護認定看護師
摂食嚥下機能の評価を行い、適切なリハビリを行いながら、「食べることによるリスク」「食べないことによるリスク」に対して、専門的な介入を行います。
透析看護認定看護師
透析を受ける患者様が『その人らしい透析生活』が送れるよう、多職種と協働し支援していきたいと思います。また、外来からの血液透析・腹膜透析・腎移植などの療養選択や意志決定支援にも関わっていきたいと思います。腎不全・透析について気軽に相談してください。
皮膚・排泄ケア認定看護師
創傷・オストミー・失禁ケアに関するコンサルテーション活動を行っています。退院後の長期的フォローアップとしてのストーマ外来、医師と共に褥瘡ラウンドを行い、予防対策に取り組んでいます。
感染管理認定看護師
感染管理の専門家として、現在、ICT(infection Control Team:院内感染対策チーム)の一員となり、実際に院内を巡視し、感染症発生状況の把握、対策の助言、また教育・啓蒙を行い、医療関連感染の低減を目指して活動しています。
集中ケア認定看護師
生命の危機状態にある患者さま及びそのご家族に対して、重篤化の回避と早期回復に向けて援助を行います。活動の場は集中治療域に留まらず、一般病棟の重症患者さまに対して、呼吸ケアなどのコンサルテーション活動を行っています。
救急看護認定看護師
超高齢化社会を迎え救急車搬送件数は増加の一途をたどっており、救急医療の必要性、重要性が高まっています。刻一刻と変化する患者さんの状態の変化を観察し、異常の早期発見に努め、医療ニーズに応えた救急看護を実践しています。
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