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いま、国立病院機構熊本医療センターで何が研究されているか<シリーズ99回> / 新任職員紹介

【222号(2015.12)】

いま、国立病院機構熊本医療センターで何が研究されているか<シリーズ99回>

国立病院臨床検査技師協会九州支部会第1回微生物検査サーベイランス解析報告

臨床検査科
 林 秀幸


【目的】
 近年、メタロ‐β‐lactamase産生菌や多剤耐性緑膿菌などの医療関連感染が報道され、多剤耐性菌が注目されています。 国立病院臨床検査技師協会九州支部会微生物研究班では、耐性機序の明確な現在問題となっている耐性菌の検査・報告方法について、各施設の検査状況を把握する目的で微生物検査サーベイランスを行い解析しました。

【対象と方法】
 九州グループ内国立病院機構病院ならびに国立療養所21施設を対象としました。菌株はIMP-1型メタロ‐β‐lactamase(MBL)産生Pseudomonas aeruginosa(多剤耐性緑膿菌:MDRP)の臨床分離株とし、連結不可能匿名化で配布しました。感受性は、PIPC、CAZ、AZT、IPM、MEPM、GM、AMK、LVFX、CPFXを対象とし、寒天平板希釈法のMIC値と比較しました。

【結果】
①同定・感受性に使用した機器・試薬
 使用した同定・薬剤感受性自動測定装置は、VITEK2(シスメックス)16施設、Walkaway(ベックマンコールター)5施設でした。
②同定結果
 参加した21施設中P. aeruginosa と回答した施設は21施設(100%)でした。一方、感受性結果からMBL産生MDRPと回答した施設は21施設中2施設(10%)であり、他はMBL産生P. aeruginosa 14施設(70%)、2剤耐性緑膿菌1施設(5%)、P. aeruginosa 3施設(15%)でした(表1)。

表1. 感受性結果を受けた最終同定結果(n=20施設)
P. aeruginosa(MBL産生) 14施設(70%)
MDRP(MBL産生菌) 2施設(10%)
2剤耐性緑膿菌 1施設(5%)
P. aeruginosa 3施設(15%)

③薬剤感受性結果
 AMKは、寒天平板希釈法32μg/mlに対して、VITEK2使用の15施設は<32μg/ml、Walkaway使用の1施設が16μg/mlと回答していました。その他の薬剤は寒天平板希釈法のMIC値と2管差以内の誤差でした(表2)。

表2.薬剤感受性結果
AMK MIC(μg/mL)
2 4 8 16 32 64 128 256
VITEK2(n=15施設)   1施設 4施設 10施設        
WalkAway(n=5施設)       1施設 4施設      
…寒天平板希釈法(標準法)によるMIC値 …1管差内のMIC値 …2管差内のMIC値

④実施した追加試験
 20施設中、SMA(メルカプト酢酸ナトリウム)を用いたMBL確認試験を実施した施設のは15施設、シカベータテストのみの施設は1施設、実施しなかった施設が4施設でした。

【まとめ・考察】
 感受性結果を加えた最終同定菌名をMBL産生MDRPと回答した施設は2施設だけであり、多くの施設がMBL産生P. aeruginosa と回答していました。これはVITEK2を使用している施設においてAMKが<32μg/mlと判定され、MDRPの条件を満たしていなかったためと考えられます。異なる検査機器では測定原理が異なることがあり、検査機器の特徴を理解したうえで使用し、結果を判断しなければならないと考えられました。また、本菌は臨床的意義も高く、感染対策においても重要であることから、MBL確認試験を実施していなかった施設に関して結果のフィードバックと共に改善のために支援、アドバイスが必要であると考えられます。

 

新任職員紹介

脳神経外科
 松﨑 啓亮

 はじめまして、11月9日より脳神経外科に赴任いたしました松﨑啓亮と申します。熊本大学を卒業後、熊本市民病院での2年間の初期研修を経て、今年4月に熊本大学脳神経外科へ入局いたしました。
 脳神経外科を志してまだ日が浅く、疾患の多様さ、奥深さ、また手術の美しさ、難しさに日々驚きながら、楽しく勉強させていただいている段階です。これから熊本医療センターで多くの外傷や脳血管障害を経験し、大いに成長できるよう励んでまいります。
 慣れない環境で多々ご迷惑をお掛けすることがあるかと思いますが、いつでも院内でお気軽に声をかけていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。