医学シリーズ No.215 形成外科(No.8) | くまびょうニュース | 国立病院機構 熊本医療センター

医学シリーズ No.215 形成外科(No.8)

【212号(2015.2)】

医学シリーズ No.215 形成外科(No.8)

「巻き爪、陥入爪治療の最先端」


形成外科医長 束野 哲志

 巻き爪(爪の両端が湾曲した状態)の方は意外に多く、10人に1人以上と言われています。軽度の湾曲であれば症状が無く、自身でも気付かないことが多い様です。湾曲が強くなったり、爪角(爪の先端の角)が食い込んだりし始めると痛みが出てきます(この状態を陥入爪と呼びます)。ひどくなると化膿し、不良肉芽の増生をきすこともあります。

 当科では、巻き爪、陥入爪の治療方法として、主に手術療法またはワイヤー療法(矯正療法)を施行しています。手術療法では、湾曲している部位を爪母まで切除し、フェノールで焼灼して生えてこない状態にします。術後1~2週で歩行時の疼痛も落ち着きます。ワイヤー療法では、爪の先端または根本にワイヤーをかけ、爪を矯正します。先端にワイヤーをかける方法(マチワイヤー)は、ある程度爪が伸びていないと出来ませんが、根元にかける方法(3TO)はほとんどすべての爪に施行出来ます(化膿している爪や、不良肉芽を伴っている爪にもかけられます)。

 それぞれに利点、欠点があります。手術療法の主な利点として①保険診療であること②施術が基本的に1回であること等が挙げられます。欠点としては①施術時に麻酔が必要②術後疼痛がある③爪が小さくなったり変形したりすること等が挙げられます。ワイヤー療法の利点としては①施術時、施術後に痛みがほとんどない②爪が小さくなることがない等が挙げられます。欠点としては①医療保険が適応されない②3か月前後で付け替えが必要で完全に矯正されるまで1-2年かかる等が挙げられます。両者の比較表を掲載します。

 それぞれに利点、欠点がありますので、爪で悩まれている患者様を診察された際には当科をご紹介していただけましたら幸いです(施術は基本的に木曜日にしています)。

手術療法 ワイヤー療法 対処療法
種類 フェノール法
爪形成
(単純、複雑)等
マチワイヤー
3TO(VHO)等
テーピング
チュービング等
保険 適応 適応外 適応
疼痛 麻酔有り
処置後の疼痛有り
麻酔無し
処置後の疼痛無し
麻酔無し
処置後の疼痛無し
効果 早い
再発有り
早い~遅い
再発有り
早い
根治的治療で無い
合併症 爪の変形等 無し 無し