臨床研究部長 芳賀克夫
2009年11月8日~12日まで約1週間にわたって米国南カリフォルニア大学(USC)外科のジェフリー・ヘーゲン准教授を当院にお迎えし、主に研修医を対象とした研修を行いました。へーゲン先生の当院での研修は今回が3回目で、へーゲン先生自身も当院の訪問を楽しみにしておられました。1日目は、真皮や大腸のシリコンモデルを用いた縫合のスキル・トレーニングを行いました。ヘーゲン先生の縫合の講義の後、ヘーゲン先生自ら実技指導をして頂きました。2日目は研修医による症例発表と回診を行った後、USCにおけるレジデント教育の実際を講演していただきました。USCの外科のレジデントの定員は7名ですが、全米から700名を超える医学生が受験してくることから分かるように、USCは全米でも最も医学生に人気がある病院の一つです。へーゲン先生には、アメリカの医学教育の歴史から、レジデント教育に関わる法律及び規則、プログラムの内容、レジデントの生活などを詳細に講演していただき、とても興味が持てる話でした。
3日目には、世界最大のERがあるLAカウンティ・ホスピタルに於ける緊急手術の経験について講演をしてもらいました。日本ではあまり見ない激しい銃創や刺創を数多く経験しているLAカウンティならではの話を聞くことができました。アメリカでは、緊急手術を専門にする外科チームが存在し、「急性期治療外科」という新たな外科の専門分野として地位を確立しつつあることに驚きました。また、USCは緊急手術に関する論文も数多く発表し、そのエビデンスが全米の標準治療として定着していることが改めて分かりました。
今回、症例検討会や回診を通じて、我が国と米国の疾病や治療法、医療制度の違いが相互に理解でき、研修医のみならず指導医にとっても有意義な研修となりました。今後も北米の教育指導者を招聘し、研修医教育の充実に努めていきたいと考えています。