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薬剤科

熊本医療センター薬剤科の紹介を致します。

 

薬剤業務

 調剤関係として、外来処方は原則院外処方箋を発行しています。院外処方箋発行枚数は平均5,469枚/月、院内での外来処方箋は平均768/月で、院外処方箋発行率は約87.7%です。薬剤業務は外来業務から、薬剤管理指導、院内感染防止対策チーム、栄養支援回診、緩和ケアチームへの参画など、入院業務へシフトしています。持参薬の識別調査、持参薬の調剤変更は昨年度と比して大きく増加し、入院患者のほぼ全員の持参薬調査を行って医薬品の安全管理に努めています。また薬剤師の病棟専任体制を平成23年度より開始し、6月より救命病棟と6南病棟、平成24年1月より7西病棟の専任体制を作りました。この病棟専任体制の中では、病棟業務に6時間を当て、注射薬の無菌調製や持参薬の調査・当院採用医薬品への変更、ハイリスク薬の管理や肝炎治療薬の指導など医薬品の安全管理や適正使用を個々の患者に応じた形で行っています。救命救急センター常駐の薬剤師は、薬剤管理指導、医薬品管理と情報提供、カンファレンスへの参加、TDMの実施などを継続して取り組んでいます。
 現在、救急の指導件数は平成21年度では約5件/月程度でしたが、平成22年度では26.3件/月、今年度はさらに90件/月と伸びています。医薬品情報をはじめとして薬物療法を、重症な患者さんにより安全な薬物療法ができるようサポートしながら、効率的な指導と指導内容の充実を図り、実施率の向上と実施件数の増加に努めています。
 感染症対策への関わりとしては、院内感染防止対策チームのメンバーとして週1回病棟回診を実施し、平成18年7月からは抗菌薬の適正使用の観点から抗MRSA薬、カルバペネム系抗菌薬の届出制を開始し、使用量と併せて擦式消毒薬部署別の使用量についても感染対策委員会で継続して報告しています。平成22年7月よりアルブミン製剤は輸血管理料の算定のため一元管理が必要なことから検査科での受け渡しになりました。使用量は減少傾向にあるのでこのまま適正使用に向け協力していきたいと思います。TDM薬物血中濃度モニタリングでは解析を主として行い、特にバンコマイシンについては投与設計の情報を医師に提供することにより、効果的な薬物療法を支援しています。
 一方、DPC導入に伴い、がん化学療法は入院から外来にシフトしてきており、薬剤科としても外来がん化学療法への対応として、抗がん剤のミキシングを、外来化学療法センターの安全キャビネット内で薬剤師が午前中常駐し無菌調製、薬剤管理指導、インフォームド・コンセント、副作用のチェックなどを行い、より安全ながん化学療法を支援しています。
 医薬品情報関係では、薬事委員会報告やDIニュースの発行、緊急安全性情報、トピックス、医薬品等副作用情報や添付文書の改訂等の院内への通知に努めています。医局会での使用上の注意の改訂や医薬品・医療機器等安全性情報については、院内ランにて薬剤科ライブラリに掲載しています。また、先発医薬品から後発医薬品への一覧表や後発医薬品から先発医薬品への一覧も電子カルテ掲示板から参照できるように掲載しています。

 

治験業務

 治験関係は、治験センター事務局として専任の治験薬剤師3名、看護師3名(1月に1名配置)、事務職員2名の計8名と検査技師1名(併任)で治験等の受託、治験に係る書類の整理・保管、治験薬管理等の業務を行っています。薬剤科もスタートアップミーティングを始め、治験連絡会に参加し、バックアップ体制を強化しています。オーダリングシステム、電子カルテを利用し、臨床試験にクリティカルパスを導入し、治験実施計画書の内容、副作用、併用禁止薬の情報などを適用することにより、治験の質と効率的な運用が行える体制を整備し継続しています。また、国際共同治験では24時間対応での治験薬の調製も行い、スムーズに治験を行うことができています。

 

教育・研修

 教育研修として、薬剤科と医療安全室との連携で、医薬品安全使用のための研修として「くすりの勉強会」を年4回開催し、薬剤師、看護師、医師など多数の参加があります。熊本市の医師・薬剤師を対象とした臨床薬理セミナーを年1回開催しています。また薬剤科として月1回の症例検討会を行い、技術研鑽に努めています。
 平成18年4月から専門薬剤師認定制度が実施され、がん専門薬剤師、感染制御専門薬剤師、NSTなどの認定取得のため、関連の研修会、学会発表、実務研修など積極的にかつ組織的に取り組んでいます。平成22年度には、日本医療薬学会より「がん専門薬剤師研修施設」と「認定薬剤師制度の研修施設」の認定を受けました。さらには、2名が実務実習認定指導薬剤師の資格を取得しています。平成22年度よりは薬学部長期実務実習が始まりました。第1期の5月に崇城大学より4名の学生をカリキュラム(11週間)に沿って実習を行いました。また、第2期の9月と10月に熊本大学の学生を3名と2名の計5名を受け入れました。平成23年度も同様に9名の実習を受け入れました。

 

今後の取り組み

 2012年度は診療報酬の改訂もあり、薬剤師の病棟業務が入院基本料への加算という形で認められました。また精神科での特定薬剤副作用評価加算が新設され、薬剤師の技術・業務の評価が行われました。これらの評価に見合った業務遂行が今年度の目標となります。具体的には全病棟に専任薬剤師を配置し、病棟業務を実践することです。また入院・外来の化学療法における無菌調製も増加し、これに応じた体制を構築する必要があります。一方、がん専門薬剤師研修施設として機能させるための体制と臨床研究業務を手がける必要があります。論文の執筆は専門性の認定に不可欠の条件であり、これについても前向きな取り組みを続けたいと考えています。これらすべてを完全なものにすることは困難ですが、まずは実績を積み上げることを目指します。

熊本医療センター 薬剤科長 真鍋健一

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