血液各種疾患および膠原病診療を行います。特に血液疾患に関しては治療経験・症例数および専門スタッフ数など県下最大級の診療施設です。
また、熊本県で唯一成人における同種造血幹細胞移植を行っており、日本骨髄バンクと日本臍帯血バンクの認定施設となっています。熊本県における造血幹細胞移植センターとして機能しており日本血液学会認定指導施設、エイズ拠点病院担当科です。
毎日血液内科担当医2名が外来を行っています。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 日高 道弘 長倉 祥一 |
清川 哲志 原田 奈穂子 |
榮 達智 井上 佳子 |
日高 道弘 長倉 祥一 |
原田 奈穂子 |
| 午後 | 塚本 敦子 | 清川 哲志 原田 奈穂子 |
榮 達智 井上 佳子 |
日高 道弘 長倉 祥一 |
原田 奈穂子 |
平成23年の血液疾患新入院数は1016件 573名。主な疾患は、
・ 悪性リンパ腫 120名
・ 骨髄異形成症候群 48名
・ 多発性骨髄腫 44名
・ 急性骨髄性白血病 61名
・ 再生不良性貧血 13名
・ 急性リンパ性白血病 20名
・ 成人T細胞白血病 21名
・ 特発性血小板減少性紫斑病 21名
・ 膠原病関連 40名
1)血液疾患
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、再生不良性貧血、溶血性貧血などの難治性貧血、成人T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患などあらゆる血液疾患に対する治療を行います。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)、JSCT(Japan Study Group for Cell Therapy and Transplamtation)、CHOT-SG(Clinical Hematolgy Oncolgy Treatment Study Group)、悪性リンパ腫フォーラム-KUMAMOTOなど国内の血液疾患を専門に診療するグループに属し、国内の各施設とも活発に交流を図り最先端かつ最良と考えられる治療を行います。
2)造血幹細胞移植
当センターでは適応に応じて自己末梢血幹細胞移植、同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、臍帯血移植が可能です。全国でも有数の移植施設として知られ、熊本県唯一、骨髄バンク、臍帯血バンクから認定された骨髄移植センターです。日高道弘血液内科部長を中心に、医師、看護師、歯科医師、薬剤師、栄養管理士によるチーム医療をクリティカルパスを用いて行っています。平成23年の移植症例数は自己末梢血幹細胞移植6例、同種移植が35例で、現在までの移植総数は自己末梢血幹細胞移植215例、同種骨髄移植178例(うち骨髄バンク移植113例)、同種末梢血幹細胞移植228例、臍帯血移植65例と豊富な移植経験を有しています。平成18年度の日本造血細胞移植学会の統計で、過去3年の年間平均同種移植数は全国第6位(九州では第2位)にランクされています。熊本大学医学部血液内科などの熊本県下の主要な血液専門病院と毎月1回造血幹細胞移植連絡会を開催し、県下の移植症例のスムーズな医療連携を図っており、強力な連携体制をとっています。 平成21年9月に完成した新病院には血液病棟に15床からなる無菌ユニットが設置されました。さらに、この無菌ユニット以外にも血液病棟本体の個室のうち2床はクラス10000の無菌室として可能な要件を備えており、最大17床の無菌室体制が可能となったため従来に比べ余裕を持って運用してゆくことが可能となりました。
国立病院機構熊本医療センター内科における造血幹細胞移植のあゆみ
| 1991 | 県内初の同種骨髄移植開始(2月21日) 無菌室1室設置(9月)、クリーンベッド購入(3台) |
| 1992 | 本邦初の骨髄液の海外搬送(九州骨髄バンク) (本院で骨髄液を採取し、ドイツ・ジュセルドルフへ空輸して移植した) |
| 1993 | 自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)の開始 |
| 1994 | 骨髄バンク(財)での、非血縁ドナーによる同種骨髄移植の開始 (1994年度2例施行) |
| 1995 | 同種末梢血幹細胞移植(PBSCT)の開始 |
| 1996 | 固形癌(精巣腫瘍)への自己PBSCTの開始 年間の造血幹細胞移植数25例に達す |
| 1998 | 本邦初の成人の臍帯血幹細胞移植を施行 |
| 2000 | ミニトランスプラント開始(2000年度2例) |
| 2004 | 単行本“造血幹細胞移植の看護”を南江堂より出版 |
| 2006 | 同種移植数300例を超える 過去3年の年間平均同種移植数全国6位にランクされる |
| 2007 | 造血幹細胞移植数500例に達す |
| 2008 | 複数臍帯血移植の開始 |

移植症例年次変化(2012年5月1日現在)

造血幹細胞移植実施状況(2012年5月1日現在) *1心外より依頼 *2日赤Hpより依頼
当センターの血液内科病棟に勤務しているスタッフだけで執筆しました。
血液疾患のクリティカルパスも実例を記述しており、
2004年1月に発行しましたが、お陰様で、2009年も増刷が決まりました。
3)膠原病リウマチ疾患
膠原病は、ほとんどが外来での治療ですが、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、成人スティル病、シェーグレン症候群、ベーチェット病など多数の患者様の診療を行っています。近年、SLEや関節リウマチの患者様が増加していますが、その他にも不明熱を主訴として紹介される患者様が多数あり、その中で膠原病の占める割合が高くなってきています。また、関節リウマチでメソトレキセート耐性例には積極的に生物学的製剤(インフリキシマブ、エタネルセプト)を導入しています。
4)がん化学療法・緩和ケア
2008年2月、当センターが地域がん診療連携拠点病院に指定されたことにより、当科は外来化学療法、緩和ケアにも一層力をそそぐことになりました。外来化学療法は清川哲志部長(外来がん化学療法センター長)、榮達智医長を中心に各科の化学療法レジメンの整備、外来化学療法センターの運営を行っています。また緩和ケアは、院内緩和ケアチームが組織され榮達智医長がその中心の緩和ケアチームリーダーとして緩和ケア診療が行われています。そして、2008年12月に 日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医を榮達智医長が熊本県で初めて取得しました。
5)その他
(1) 臨床研究・治験
臨床研究では、日高道弘血液内科部長を中心として我が国の最先端の各種の臨床研究に参加しています。さらに、国立病院機構ネットワークの基幹研究施設として共同研究に積極的に取り組んでおり、全国的に展開される血液疾患の治療研究の推進に大きな役割を果たしています。また武本重毅医長はライフワークである成人T細胞白血病(ATL)の臨床研究を継続して行いATLの造血幹細胞移植、可溶性CD30値のATLの臨床経過における有用性などの研究を精力的に行っています。院内では循環器科と協力して血管再生医療に取り組み、先端医療を行っています。また、臨床治験も最重要課題として取り上げ、多くの課題に取り組んでいます。(2) 地域連携・クリティカルパス
当センターは、本邦でも最も早い時期から地域連携・クリティカルパスに取り組んできましたが、当科でも長倉祥一医長を中心に、造血幹細胞移植、各種化学療法のクリティカルパスの作成を行い、日常診療に使用しています。
現在は、電子カルテによるクリティカルパスを使用しており、さらに地域連携クリティカルパスを実施の段階に入っています。クリティカルパスを使用することにより、患者様へ治療や検査の日程などを具体的に説明可能となり、より安心した治療の提供が出来るようになりました。
また、医療者側にとりましてもすべての職種の医療従事者が同じクリティカルパスを共有することでチーム医療が容易となりました。(3) 国際医療協力
当科は、以前よりJICA(独立行政法人国際協力機構)の委託による開発途上国の医療従事者を対象とした集団研修コース“血液由来感染症”の受け入れ、実施を担当してきました。このコースの受け入れは本年で22年目を迎えています。20年間にわたり河野文夫院長がコースリーダーを務めてきましたが、平成21年より武本重毅医長に受け継がれました。
参加国は、アフリカ・アジア・南米などほぼ全世界、約100ヶ国から約300人の研修生を受け入れ、日本国内で1ヶ月の研修を行っています。また、1995年からは、JICAの主催による第3国研修としてエジプト・スエズ運河大学で、また2009年からはエジプト・ファイユーム大学で集団研修コース“感染症・免疫学コース”を行い、毎年、血液内科から講師を派遣しています。
2009年9月22日に新病院に移転しました。15床の無菌個室からなる移植ユニットを有し、さらに重症個室にも2床の無菌病室を備えました。これにより移植などの血液疾患の診療環境は飛躍的にグレードアップしました。
| 職名/氏名・免許取得年度 | 専門医・所属学会など | 専門分野 |
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院長 昭和48年 |
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研修部長 外来化学療法センター長 昭和55年 |
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医師 昭和59年 |
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部長 昭和61年 |
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医長 昭和62年 |
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医長 輸血室長 平成元年 |
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医長 平成4年 |
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医長 緩和ケアチームリーダー 平成6年 |
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医長 平成7年 |
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医師 平成21年 |
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造血幹細胞移植センターとしてさらなる充実を図り、臍帯血移植やミニ移植、高齢者に対する移植を積極的に取り組みます。さらに移植の安全性を高めるために合併症の低減を図り、難治血液疾患の治癒率を改善します。インフォームドコンセントやクリティカルパスを充実し、患者と医療スタッフが協力して治療に取り組む体制を作り上げます。また、膠原病での自己移植についても対応し、先端医療を行います。院内の他科とも協力して新たな分野での再生医療、移植医療に取り組みます。 また、本県で立ちおくれていると言われています固形がんに対する化学療法(腫瘍内科)、緩和ケアにつきましても積極的に取り組んで行く予定です。